見解日本が移民の受け入れを拡大すれば、比較的安価な労働力人口が増加することで中長期的には経済成長率が高まる可能性がある。 ただし、短期的には海外から日本に移民・難民が殺到することで移民の滞在費や食費、移民の子供の教育費といった財政負担が重くのしかかってくる。 欧米諸国では移民受け入れによる短期的な財政負担の高まりが、労働力人口増加による長期的な成長率の高まりを帳消しにしてしまっているというのが実情であり、その反省の上に立って移民政策の厳格化へと舵を切ろうとしている。 日本が安易に移民の受け入れを拡大すれば、欧米諸国が現在直面しているのと同じ問題を抱えることになるだろう。 日本は政策コストのかかる移民受け入れではなく、日本人労働者の生産性を高めることによる成長率の加速を目指すべきだ。
コメンテータープロフィール
1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。
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