若い世代の消費が振るわないのは、社会保障制度とくに年金制度の持続可能性に対して根強い不安があるためだ。 年金財政が厳しくなっているので年金の支給開始年齢が現状の65歳から75歳に一気に引き上げられてしまうのではないか、あるいは年金の支給額が4割ほど減額されてしまうのではないか、そういった不安が拭いされないので、若いうちから収入があってもそれを刹那的な消費には回さず、将来不安に備えて自助努力で貯金に回すようになっている。 国民年金の納付期間をこれまでの60歳までから65歳までと、5年も延長すれば、若い世代の年金制度への不信感は一段と強まり、ますます消費が低迷するようになるだろう。年金保険料の未納率が高まる恐れもある。
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コメンテータープロフィール
1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。
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