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門倉貴史

門倉貴史

認証済み

エコノミスト/経済評論家

報告

新型コロナウイルスの第3波は、既に昨年10月から感染拡大が加速していたが、政府は経済を優先してGo Toキャンペーンを継続した。専門家による分科会からも人の移動は感染を広げるリスクがあるとの指摘があったにもかかわらず、感染対策を小出しにして、12月27日までGo Toキャンペーンの事業を止めなかった政策当局の責任は重い。Go Toキャンペーンを強行して、感染対策が後手に回った結果、感染拡大に歯止めがかからなくなって副作用が強い最後の手(緊急事態宣言)を使わざるを得なくなったといえる。昨年7月から一時停止になるまでのGo Toトラベルの経済効果は、政府の非公式の試算によると約1兆円にとどまるが、今回の緊急事態再宣言による経済損失は1か月あたりで約10兆円に上るとみられ、経済を優先するはずが、10倍返しで経済損失を出すという皮肉な結果を招いてしまった。

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コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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