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伊藤さゆり

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ニッセイ基礎研究所 経済研究部 常務理事

報告

補足ECBは、これまで「データ次第」、「会合ごと」、「特定の金利経路を事前確約しない」方針を表明してきましたが、昨日の決定はまさに、「データ次第」、「会合ごと」の決定を実践するものでした。 金融政策を「インフレの基調」、「インフレの見通し」、「金融政策の波及度合い」の3つの関数に基づいて判断するというのも従来からの方針。 ラガルド総裁は、会見で、決定は、経済データの予想外の下振れで「インフレの見通し」が変わったことに対応したものと説明しました。 20カ国からなるユーロ圏は、これまでドイツの不調が目立ち、域内の景気格差が観察されましたが、前回の利下げ決定後の新たなデータは主要国が揃って減速。主要国経済の方向性が下振れ方向で一致したことも、追加利下げ決定の決め手になったとのことです。 次回、12月理事会までの新たな材料も「下振れ方向での一致」であれば、3会合連続の利下げとなりそうです。

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  • 渡辺浩志

    ソニーフィナンシャルグループ シニアエコノミスト

    解説ユーロ圏では景気悪化とインフレ鈍化が鮮明化。中国と関係が深いドイツの景気が引き続き悪化するなか、景況…続きを読む

コメンテータープロフィール

伊藤さゆり

ニッセイ基礎研究所 経済研究部 常務理事

1987年早稲田大学政治経済学部卒。2005年同大学大学院商学研究科修士課程修了。日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て、2001年ニッセイ基礎研究所入社。2023年より現職。早稲田大学商学学術院非常勤講師(2015年度~)、経団連21世紀政策研究所研究委員(2017年~)、グローバル・フォーラム「欧州政策パネル」メンバー(2019年〜)など兼務。近著に、『EUと新しい国際秩序』(日本評論社、共著)、『沈まぬユーロ』(文眞堂、共著)

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