TPPは世界中の自由連携協定の中でも、かなり高度に自由なものであり、国有企業や産業補助金が多い中国が加盟することは、現状ではかなり難しいものがあると思います。一方で、日本としては、そもそも狙いであった米国の加盟を急ぐ必要がありますし、興味を示している英国とも協議を進める必要があります。TPPの加盟国が増えることは日本にとって良いことですが、当初の理想通り、自由貿易推進体制であるべきですし、そのためには米国の加盟が重要です。また、米国抜きで中国が加盟した場合、中国の意見が強くなり、自由貿易体制というより、中国に有利な体制となるるリスクにも注意が必要でしょう。如何にしてTPPの理念である自由貿易を守るか考えていく必要があります。
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コメンテータープロフィール
専門はマクロ経済及び金融制度分析。大阪勤務時の経験から関西経済、地方創生、万博の経済効果なども研究。日経新聞夕刊の十字路などマスコミ寄稿も多数。著書は「大阪の逆襲」(共著、青春新書インテリジェンス)、「大阪が日本を救う」(単著、日経プレミアシリーズ)。
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