見解『違法薬物などの再犯をする人と関わりたくもない』 そんな風に感じる人もいるだろうし、その人のその感覚を否定はしません。ただ、依存症の治療を妨げる言動が、患者さんに届かなければいいなと思います。 例えば、ダイエット。おそらく途中で挫折したことがある人も珍しくないでしょう。『食べちゃダメだ…』と分かってはいるけど、つい食欲に負けて食べてしまう。 そんな挫折をした時に『分かるよ。ダイエットって難しいよね…』ではなくて『お前は意思が弱いからダメなんだよ』なんて言われたら…。傷つきますし、もうダイエットなんてどうでもいいやと自暴自棄になることもあるでしょう。 薬物の渇望は、ダイエットの食欲よりもはるかに強いものです。再び手を出してしまうのは『意志が弱い』とか『性格の問題』という話ではありません。田代さんを含め患者さんの毎日の戦いを応援する人が増えることを願っています。
コメンテータープロフィール
兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。
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