雨宮処凛さんの新著には私のインタビューも収録されています。そこでは、バブル崩壊以降の30年間で貧困が拡大する中、生存権の保障を行政に求める動きが市民レベルで広まり、生活保護制度の運用も少しずつ改善されてきたことをお話しています。 コロナ禍では厚生労働省も従来の方針を転換し、制度の積極的な広報に乗り出しました。2020年12月には厚労省の公式サイトに「生活保護を申請したい方へ」という特設ページを開設され、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください」とのメッセージが掲げられました。 自治体レベルでも、滋賀県野洲市、新潟県南魚沼市、東京都中野区などでポスターやSNSを活用して制度利用を促す取り組みが進められています。 生活に困窮した人がためらわずに制度につながることができるようにするため、更なる広報が求められています。
コメンテータープロフィール
1969年広島県生まれ。94年より、路上生活者を中心に生活困窮者への相談・支援活動に取り組む。 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、認定NPO法人ビッグイシュー基金共同代表、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 著書に『貧困パンデミック』(明石書店)、『閉ざされた扉をこじ開ける』(朝日新書)等。
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