補足桐生市の第三者委員会では、2011年からの10年間で生活保護世帯が半減した要因についても調査を進めることになっています。 第4回会合で発表された内部調査チームの報告では、職員への聞き取りで「上司から保護件数や新規申請を抑えるように指示を受けた」と答えた職員がいなかったとのことですが、平成26年度と29年度の2回にわたり、厚生労働省による監査が入り、「保護申請に条件があると誤解されるような制度説明や助言等、申請権の侵害が疑われるような行動は厳に慎むこと」との指摘があったことが明らかになりました。 今後、第三者委員会が桐生市で常態化していたと見られる「水際作戦」の実態や背景をどこまで解明できるか、注目されます。また厚生労働省も、桐生市の違法・不適切運用について、どの段階でどこまで実態を把握していたのか、明らかにすべきです。
コメンテータープロフィール
1969年広島県生まれ。94年より、路上生活者を中心に生活困窮者への相談・支援活動に取り組む。 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、認定NPO法人ビッグイシュー基金共同代表、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 著書に『貧困パンデミック』(明石書店)、『閉ざされた扉をこじ開ける』(朝日新書)等。
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