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稲葉剛

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立教大学大学院客員教授/つくろい東京ファンド代表理事

報告

近年、生活保護の申請件数が増加すると、「働いていない人が得をしている」とのレッテル貼りによって、生活保護利用者とワーキングプアとの間に対立構図を作り、低所得者層の分断を煽る言説が頻出するようになりました。 しかし、就労や年金等の収入のある人でも、その収入が生活保護基準を下回っており、活用できる資産がなければ、生活保護を利用して不足分を補ってもらうことができます。生活保護がすべての人の生活を下支えする制度であることはもっと周知されるべきです。 今年6月の新規申請件数は前年同月比7.2%増となっていますが、保護が廃止となった世帯も多いため、保護世帯数は0.1%増、実人員ベースでは0.8%減となっています。特に母子世帯など複数人世帯が減少傾向にあります。就労収入の増加や他の支援策の活用によって保護から抜けた世帯も多いと見られますが、適切に運用されているかどうか、精査が必要です。

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コメンテータープロフィール

稲葉剛

立教大学大学院客員教授/つくろい東京ファンド代表理事

1969年広島県生まれ。94年より、路上生活者を中心に生活困窮者への相談・支援活動に取り組む。 一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、認定NPO法人ビッグイシュー基金共同代表、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 著書に『貧困パンデミック』(明石書店)、『閉ざされた扉をこじ開ける』(朝日新書)等。

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