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星周一郎

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東京都立大学法学部教授

報告

解説公道以外での自動車の運転でも、自動車運転処罰法の対象となります。 危険運転致死罪は、8類型の危険運転を定めていますが、適用が検討されているのは技能欠如型だと思われます。自動車の運転技能がない場合、自動車の進行制御は困難であり、極めて危険であるとの理由から、危険運転致死傷罪の対象とされています。 しかし、技能欠如運転は、無免許運転とは異なります。免許停止中・免許取消後の運転は無免許運転ですが、運転技能自体は有している場合が通例です。そのため、技能欠如型危険運転致死傷罪は非常に稀で、把握の限りでは、有罪とされた例は1件しかありません。 この事案では、自動車を斜面に乗り上げさせたことが横転の原因のようです。それが技能欠如が原因だったのであれば危険運転致死罪に、日頃からこういったことを繰り返すなど、自動車を制御させる技能自体はあったのであれば、過失運転致死罪になります。

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コメンテータープロフィール

1969年愛知県生まれ。東京都立大学法学部卒業、博士(法学・東京都立大学)。専門は刑事法。近年は情報法や医事法にも研究対象を拡げている。著書として『放火罪の理論』(東京大学出版会・2004年)、『防犯カメラと刑事手続』(弘文堂・2012年)、『現代社会と実質的刑事法論』(成文堂・2023年)、『アメリカ刑法』(訳・レクシスネクシス・ジャパン・2008年)など。

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