補足犯行動機の身勝手さ、情状の悪質さなどに関する検察側の主張に、異論の余地はありません。ただし、本件の194キロでの走行が「危険運転致死罪に該当するか」という、最も肝心な部分が争点であるため、「過失運転致死罪の場合なら求刑5年」という、予備的な主張もせざるを得ないことになります。 被害者遺族の「これからは遺族が声をあげなくても危険運転致死罪で起訴すべき事故はきちんと起訴する世の中になってほしい」という切実な声は、重く受け止める必要があります。さらに、本件事案の構図自体は「194キロという常軌を逸した走行で他人を死亡させた」というもので、決して複雑なものではありません。そういった事案で、プロドライバーによる鑑定や、視野に関する医学的専門家を遠隔地から呼んで証言してもらうなどの多大な立証コストを、常にかけられるか、についても考える必要があります。 現在の処罰法には改善すべき点が多々あります。
コメンテータープロフィール
1969年愛知県生まれ。東京都立大学法学部卒業、博士(法学・東京都立大学)。専門は刑事法。近年は情報法や医事法にも研究対象を拡げている。著書として『放火罪の理論』(東京大学出版会・2004年)、『防犯カメラと刑事手続』(弘文堂・2012年)、『現代社会と実質的刑事法論』(成文堂・2023年)、『アメリカ刑法』(訳・レクシスネクシス・ジャパン・2008年)など。
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