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星周一郎

星周一郎認証済み

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東京都立大学法学部教授

報告

見解記事にもあるように、おとり捜査は、「捜査機関」または「捜査機関の依頼を受けた協力者」が、一定の条件のもとで行う場合に関して、任意捜査として許容されることが、平成16年の最高裁判例で示されています。 一般人が、自らの発案・思いつきで「おとり捜査」を行うことは、法的に認められません。 他方で、「一般人が行う違法なおとり捜査」に誘われる形で、犯罪行為を行ってしまった場合、いくら「誘い」が違法であっても、理屈としては、犯罪を行ったことに変わりはありません。通常の犯罪行為への誘いにのって実際に犯罪行為を行った場合と、まったく同列だからです(実際に起訴に値すると判断されるかどうかはともかくとしても)。 「闇バイト募集」問題や大麻問題などとも共通しますが、違法な行為には、誘われたとしても絶対に応じないことが重要です。

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コメンテータープロフィール

1969年愛知県生まれ。東京都立大学法学部卒業、博士(法学・東京都立大学)。専門は刑事法。近年は情報法や医事法にも研究対象を拡げている。著書として『放火罪の理論』(東京大学出版会・2004年)、『防犯カメラと刑事手続』(弘文堂・2012年)、『現代社会と実質的刑事法論』(成文堂・2023年)、『アメリカ刑法』(訳・レクシスネクシス・ジャパン・2008年)など。

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