補足超広視野多天体分光器PFSは、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構を中心に7か国の国際協力で10年超にわたって進められてきたプロジェクトです。PFSは広い視野内で2400もの天体を同時に分光できる優れた性能を持っており、装置が完成してハワイのすばる望遠鏡に搭載されれば、暗黒物質やダークエネルギー、それに銀河の進化史の解明などに結び付く素晴らしい観測データが得られると期待されます。昨年2022年9月にはすばる望遠鏡でPFSのファーストライト(初観測)が行われ、そこで判明した技術的な課題を現在解決しつつあるところです。近いうちに本格的な科学運用が開始されれば、すばる望遠鏡の新たな基幹装置となり、すばる望遠鏡にとっても、また世界の天文学にとっても非常に重要な装置として、2020年代の光赤外線天文学を牽引する大きな力となっていくことでしょう。
コメンテータープロフィール
電波望遠鏡を使って天の川銀河やブラックホールの研究をしている天文学の研究者です。
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