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東野篤子

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筑波大学教授

報告

この『読売新聞が入手した原案』が、12日にスウェーデンの古城で実施されたEU非公式外相会合の直前に、ボレル上級代表から各加盟国宛てに配布された書簡(おそらく複数)なのか、それとも非公式外相会合のとりまとめの結果として出てきたものなのかは、記事にははっきり書かれていません。前者の内容はすでに複数の記事が報じていますが、FT(5.12付)によると「中国問題はロシア問題よりもずっと複雑である」、「中国の野望は明らかに、中国中心の新世界秩序を構築することにあり…仮にロシアが敗北したとしても、中国の企みが脇道に逸れることはない。中国はその地政学的利点を獲得しうるだろう」等、中国に対する強い脅威認識が伺えます。こうした認識であれば、EUとしても台湾有事に備えるべきとの考え方が出てくることは自然であり、新たなEU対中戦略は2019年のものよりも一段踏み込んだ対中脅威認識を示すことになるかも知れません。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 鶴岡路人

    慶應義塾大学総合政策学部准教授

    まだ細かい調整が続いているとも報じられているが、EUの新たな対中戦略文章における台湾への言及の拡大は…続きを読む

  • 遠藤乾

    東京大学大学院法学政治学研究科・法学部

    まだ書きっぷりの落ち着き先を見極める必要があるが、台湾海峡がエスカレーションするリスクは、パートナー…続きを読む

コメンテータープロフィール

ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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