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東野篤子

東野篤子認証済み

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筑波大学教授

報告

補足備忘録的に、EU加盟国の中で中国のEVへの追加関税導入に賛成票を投じた国、反対票を投じた国、そして棄権した国を整理しておきます。賛成票はポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、デンマーク、フランス、オランダ、アイルランド、イタリア、ブルガリアの10カ国。反対票を投じたのはドイツ、ハンガリー、マルタ、スロベニア、スロバキアの5カ国。棄権した国はそれ以外の12カ国となります。 この欧州委員会案を覆すためには、15国以上およびEUの総人口65%以上の反対票が必要でしたが、そうはなりませんでした。 「EUなど無力であり、なにも出来ない」との見方は中国(および日本)で根強いのですが、結果的には中国が集中的に外交攻勢をかけていたフランスが早々と賛成に回りました。この段階で同案が可決される見通しがたったため、中国との経済関係を優先するドイツは「安心して」反対票を投じたとも言えます。

コメンテータープロフィール

ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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