補足4℃より高い温度で保管された魚を食べると『ヒスタミン中毒』を起こすことがあります。食後約5分から3時間で、 ・皮膚のブツブツ ・顔の赤み ・頭痛 ・嘔吐 などが出ます。サバやマグロ、カジキなど赤身魚での発症が多いです[1]。 注意点は「加熱しても防げない」ことです。刺し身よりも、焼き魚や揚げ物など加熱済み食品による事例が多く報告されています。対策として、次のことを心がけて頂ければ幸いです[2]。 ・購入した魚は常温で放置せず、速やかに冷蔵庫で保管する。 ・魚のエラや内臓は購入後できるだけ早く除去する。 ・鮮度が低下した恐れのある魚は食べない。 ・食品を口に入れた際に「くちびるや舌先に通常と異なる刺激」を感じたら、食べずに処分する。 出典 1 Bull. Natl. Inst. Health Sci. 2009; 127:31-8. 2 厚生労働省. ヒスタミンによる食中毒について
コメンテータープロフィール
東大医学部卒。皮膚科専門医/医学博士。元東大病院助教。東大病院病院長賞、JSID臨床研究論文賞等を受賞。治療薬が無いために多くの方々が命を落とした難病『全身性強皮症』の医師主導治験を成功させ、新規治療法リツキシマブの保険承認を世界で始めて取得。治験結果は世界有数の医学雑誌Lancet Rheumatologyに掲載され、国内外のメディアで画期的成果と報道された。この治療法により、今では日本全国で患者さんの命が救われている。多数の業績を残す傍ら、静岡放送SBSラジオ『IPPO』などで一般的な皮膚トラブルの啓発活動を行う。2024年3月に静岡駅徒歩3分の『静岡モディ』で『静岡皮膚科』を開院予定。