補足「カエンタケは触れただけで皮膚がただれる」などとマスコミが報じることがあります。ただ、「触っただけでひどい皮膚炎になった」との症例を実際に報告する論文は、国内外の論文検索サイトを調べても1本も見つかりません。 「触るだけでも極めて危険」というのは誇大表現と言えます(もちろんわざわざ触らない方が望ましいですが)[1,2]。 ただ、カエンタケを間違えて食べてしまうのは非常に危険です。カエンタケ中毒になると、腹痛や下痢、手のひらの皮剥けなどの症状が出ることがあり、最悪のケースでは命を落とします[3]。 出典 1 神奈川県立 生命の星・地球博物館. 学芸員の折原がテレビ番組で毒きのこのカエンタケについて解説しました. 2 Myconeer. Fungal Inferno: An Encounter With Poison Fire Coral. 3 臨床皮膚科. 57; 1: 17-21.
コメンテータープロフィール
東大医学部卒。皮膚科専門医/医学博士。元東大病院助教。東大病院病院長賞、JSID臨床研究論文賞等を受賞。治療薬が無いために多くの方々が命を落とした難病『全身性強皮症』の医師主導治験を成功させ、新規治療法リツキシマブの保険承認を世界で始めて取得。治験結果は世界有数の医学雑誌Lancet Rheumatologyに掲載され、国内外のメディアで画期的成果と報道された。この治療法により、今では日本全国で患者さんの命が救われている。多数の業績を残す傍ら、静岡放送SBSラジオ『IPPO』などで一般的な皮膚トラブルの啓発活動を行う。2024年3月に静岡駅徒歩3分の『静岡モディ』で『静岡皮膚科』を開院予定。
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