解説刑務所や拘置所に勤務していました。分類調査という資質鑑別あるいは心理分析を仕事としていました。刑務所の秩序維持、とても重要な問題です。誰しもが平等に安心して受刑できる生活環境を整えること。なにより秩序が維持されていなければ、そうはいきません。一方であまりに自主性がスポイルされると、プリゾニゼーション(刑務所化)という現象が起きてしまいます。何事についても自ら判断しようとしない、他人任せになってしまう現象をいいます。無期刑を含む長期刑の受刑者を多く収容する刑務所に勤務していた時こうしたプリゾニゼーションを目の当たりにしました。社会復帰重視に処遇を転換することはとても素晴らしいことです。もちろん従来までも社会復帰を念頭にした処遇や教育は行われていました。それが一層加速することを願ってやみません。
コメンテータープロフィール
東京学芸大学大学院修了後、法務省に心理職として入省。全国の少年鑑別所・刑務所・拘置所で犯罪者を心理学的に分析する資質鑑別に従事。分析した犯罪者数は1万人を超える。その他、法務大臣官房秘書課国際室勤務等を経て、2007年に法務総合研究所室長研究官を最後に退官し、東京未来大学教授に着任。2013年からは学部長。TV等メディアを通しての発信も多く、年間の報道・情報番組の出演は200本を超える。バラエティでもフジテレビ「全力!脱力タイムズ」のレギュラーを8年以上続けている。近著に、「犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉」(SB新書、2022年)、「犯罪心理学者は見た危ない子育て」がある。
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