補足検察官は、すべての刑事事件について、起訴するか、起訴しないかを決定する権限を有している。 仮に犯罪の嫌疑が認められたとしても、刑事訴訟法上、犯人の性格,年齢および境遇,犯罪の軽重および情状ならびに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、起訴しないことができる(起訴猶予)。 本件が、犯罪の嫌疑があったのに起訴しないのか、犯罪の嫌疑が認められない事案であるのかは、名古屋地検が公表していないので不明である。 不起訴の理由を公表する義務はないとはいえ、本件では、現職の司法書士も逮捕され、司法書士連合会が国民にお詫びの声明まで出していたのであって、社会的影響が重大である。 検察は、公益代表者としての立場から、不起訴理由を説明すべきではないかと思う。
コメンテータープロフィール
北海道出身。平成6年早稲田大学法学部卒業。平成8年司法試験合格。平成11年検事任官。東京地検,札幌地検岩見沢支部長等を赴任。平成22年検事退官。同年釧路弁護士会弁護士登録。一般刑事・民事・家事事件全般を取り扱う。
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