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阿部圭史

阿部圭史

認証済み

元WHO健康危機管理官/医師

報告

解説「社会経済活動と感染対策の両立を重視」すべきなのか否か、可能なのか否かは、事案毎の原因微生物によって異なることに加え、「何を優先的に守るか」という点については、諸般の状況を総合的に考慮した上で政治的に決断すべきものです。したがって、このように明記することで政府の事態対処方式が柔軟性を失い、思考停止に陥ることを懸念します。 一方、「科学的知見が不十分でも(中略)強度の高い措置を講じると明記」という点は評価すべき点です。科学的知見の確立を待っていては、国民を守ることは難しい。パンデミックへの対応は、あくまでも危機管理的行為であって、科学的行為とは異なる(科学は構成要素の一つに過ぎない)という理解が適切に進んでいる証左なのではないかと拝察します。

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コメンテータープロフィール

国際政治・危機管理アナリスト/医師。専門は国際政治・安全保障・危機管理・医療・公衆衛生。国立国際医療研究センターを経て、厚生労働省入省。ワクチン政策等の内政、国際機関や諸外国との外交、国際的に脅威となる感染症に対する危機管理に従事。また、WHO(世界保健機関)健康危機管理官として感染症危機管理政策、大量破壊兵器に対する公衆衛生危機管理政策、脆弱国家における人道危機対応に従事。著書に『感染症の国家戦略 日本の安全保障と危機管理』、『コロナ民間臨調報告書』(共著)。北海道大学医学部卒業。ジョージタウン大学外交大学院修士課程(国際政治・安全保障専攻)修了。

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