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いつか火星に 青春かけた学生の夢

いつか火星へーー探査機開発の世界大会、日本初出場に青春をかけるウイグルルーツの学生#ydocs

荒井由佳子

東北大学の博士課程で宇宙工学を研究する阿依(あい)ダニシさん(25)は、日本の宇宙開発の現状に、あせりを感じていた。「YouTubeで目に止まったいろんな国の学生たちが作る火星探査機。いま僕たちが始めないと、日本は置いていかれる」。そう思ったダニシさんは2022年、火星探査機を開発する学生団体を、日本で初めて立ち上げた。その目的は、探査機の技術を競う米国での学生世界大会に参戦することだ。メンバーは全員、社会人経験のない学生たち。自律走行や生命探査の技術力が問われるのはもちろん、最終的に800万円を超えた開発資金を調達するマネージメント力も求められる。ウイグル族の両親を持ち、異なる二つの文化にまたがって育ってきたダニシさんは、国境を越えて力を合わせられる宇宙開発に魅力を感じている。「いつか宇宙飛行士になって、火星に行きたい」。世界大会で実績を残し、夢への足がかりとできるのか。若き研究者と仲間たちの挑戦を追った。

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