第3回ノンフィクション本大賞決定!
- エンド•オブ•ライフ 佐々涼子
- 「看取りのプロフェッショナル」である看護師の友人が病を得た。最期の日々を共に過ごす著者に見せた、友人の死への向き合い方は、意外なものだった。難病の母、そして彼女を献身的に看病する父の話を交え、7年間見つめ続けた在宅での終末医療の現場を綴る。
受賞の言葉/佐々涼子さん
書店員の声
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埼玉県 よむよむ坂戸入西店
阿部千鶴子 - この本に出会えて本当に良かったと思う。家族や自分が病気などで亡くなるとき、一体どんな最期を迎えられるだろうか、と考えずにいられない。一つとして同じではないたくさんの方の死が描かれ、その一つ一つに考えさせられ涙する。最期を拍手で送るって本当に素敵だな、と思っても、一体どうすればいいのか、医療に携わっていなければ見当もつかないし、そもそも選択肢があるということも知らずに終わってしまうかもしれない。最期を迎えるにあたり、自分で選択していくこともできるかもしれないという一つの希望が、この本には書かれていると思う。
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東京都 旭屋書店池袋店
礒部ゆきえ - 「死を受け入れる」ということが自分にできるだろうか。 自分の死はもちろん、人の死に対しても、受け入れ、向き合うことができるだろうか。 歳をとるごとに考えなければいけなくなる、できれば目を背けたいテーマですが、様々な人生の終焉を知り、私のなかで「死に対する不確かな怯え」が少し形を変えたような気がします。 著者の丁寧な取材内容と、それを見つめる著者の優しいまなざしが、最後まで私に寄り添ってくれたおかげです。 読むことができて、よかった。
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東京都 丸善丸の内本店
高頭佐和子 - 亡くなった祖父母たちのこと、そしていつかは自分も死ぬのだということ、思いながら読みました。死とは何なのか。これからも考えながら生きていくのだと思います。「死は、遺された者へ幸福に生きるためのヒントを与える」という言葉が心に深く刻まれました。
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奈良県 WAY書店
TSUTAYA天理店
岩瀬竜太 - 終末医療、言葉では知っているけれど、実際どういうものなのか全く知らない世界でした。ご家族に笑顔と拍手で看取られた森山さんの最期は、いい言葉が思いつかないのですが、すごくかっこいい、人生という舞台の幕の引き方であったように思います。「命の閉じ方」と一緒に、「今をどう生きるか」を教えられた気がします。ぜひたくさんの方に読んでいただきたい作品です。
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香川県 宮脇書店本店
藤村結香 - なぜ、死は誰にでも訪れるものだから…とわかっていながら、私自身と家族には無縁のことだとつい思ってしまうのだろう。 この美しい本に書かれている命の終わりと、それを見守り、支え、献身のかぎりを尽くしている人々の物語は他人事ではないのだ。 ご自身の家族のことも交えながら、丹念に冷静なわかりやすい文章で書かれた佐々涼子さんの取材力が素晴らしい。こんなにも心を揺さぶられるようなノンフィクション、どうかノンフィクションだからと敬遠せずに手を伸ばしてほしい。このテーマに踏み込み、書ききってくれたのが佐々涼子さんで本当に良かった。 「エンジェルフライト」といい「紙つなげ!」といい、佐々さんの文章には淡々とした文章の中に隠しきれない燃えるような命の輝きが溢れている。命の輝きに対する深い敬意をいつも感じる。凄い人だ、本当に。
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読者の声
- 「命の閉じ方のレッスン」終末期の在宅医療のノンフィクション。細かな描写で辛くなるほど泣けてきました。 家族の看取り方は?自分の最期はどうしたい?正解はわからないけど、自分らしく、思い残す事なく今を生きたいと思いました。
- yukiさん
- この本で一番印象的なセリフ。 『人は生きたようにしか最期は迎えられない』 いきなりあと数ヶ月の命と言われても、人は生き方を変える事は難しい。 自分の意見を尊重できる環境下で生きていた人は、死ぬ時もちゃんと自分の考えを尊重出来るだろうし、逆に人に振り回されて生きて来た人は、最期も家族に振り回されてしまうもの。だからこそ常日頃から悔いがないように生きていきたいけれど。
私は在宅医療が絶対!とは思わないし、この本を読んでやはりそれは強く思った。いくら本人が望んでも、家族の負担は相当に重い訳だし、かと言って在宅医療ができない事を家族の愛情不足などと責めるのもまた違うと思う。本当に難しい。正解がないからこそ。 - snoo39さん
- 病気で少しづつ死に近づくのは痛みもあり、不安もあり、この作品のように在宅介護は家族の負担にもなるので本人は申し訳なかったりするのだろうが、死にゆく準備をできることは幸せなのかもしれないとも思う。この方の父上の献身する愛と強さにも頭が下がる。自分はそんな愛を受ける価値のある人物だろうか…。何度も読み返したいノンフィクション作品。
- ラッキーさん
- 医療者として考えさせれる本だった。
心不全患者を在宅に、と迷うことあるけど…。高齢で、未来予測がしにくく、悪くなっても治療で回復する(少なくとも症状は)可能性がある心不全患者の場合、がん患者の在宅医療とは大きく違った難しさがあるんだろうと思う。 - miserybeatleさん
- 患者の気持ちにはそれぞれ違っているだろうし,その家族の気持ちもそれぞれだ.だがこの本に書かれた家族の気持ちは限りなく自分の気持ちに近く,なぐさめられた.自分の最後を考えることも大切だが,より良く生きることが本当に大事だと気付かされる.この本は在宅医療に光を当てているが,在宅であってもそうでなくても生きる姿勢は同じだと思う.
- hosinotukiさん