Information2017.12.12

「Yahoo!ニュース 個人」オーサーカンファレンス2017を開催しました

Yahoo!ニュースでは、2014年から数えて4回目となる「『Yahoo!ニュース 個人』オーサーカンファレンス」を開催しました。オーサーカンファレンスは年に1回、書き手(オーサー)とYahoo!ニュースの関係者が一堂に会する場です。2012年にスタートした「Yahoo!ニュース 個人」は今年5年の節目を迎えました。これからも「発見と言論が社会の課題を解決する」世界観を目指してオーサーの執筆活動に対する支援をさらに強化していきます。

「Yahoo!ニュース 個人」の2017年を振り返る

まずは数値面から、2017年のYahoo!ニュース 個人を振り返ってみましょう。

月間の記事本数は1100本/月に。昨年の1050本/月と比べると4%増加しました。

年間のページビュー(PV)は、オリンピックもあり大きくPVが成長した昨年と同水準を維持し、約12億PVを達成しました。

オーサーが執筆した記事に対するお支払いは1億8500万円。昨年と比較すると16%増加しました。開始当初の1年間と比べると12倍の支払額にまで成長することができました。

次に施策について振り返ります。昨年のオーサーカンファレンスでは、「もっと届ける」「もっと身近に」「もっと役立つ」の3つの視点から施策を発表しました。オーサーの記事を「もっと届ける」ために、Yahoo! JAPAN、Yahoo!ニュースアプリでの記事のプッシュ通知強化やYahoo!ニュースアプリでの専用タブの設置などを実施。またオーサーにとって「もっと身近に」なることを目指しヤフー紀尾井町オフィスのコワーキングスペース「LODGE」のプレミアム会員カードを発行、のべ233人のオーサーにご利用いただきました。

そして「もっと役立つ」ための施策として、オーサーから募集した企画案を審査し、採用となった企画の取材費をサポートする「企画支援」の取り組みを開始。今年の2月に募集を開始してから約65件の応募があり、約30件の企画をサポートしました。

なかでも反響の大きかった記事として、食品ロス問題専門家の井出留美さんは、今回の企画支援での取り組みでは現役のコンビ二オーナーたちの座談会を通してコンビ二で売れ残ったお弁当の処理に関して深く調べていただき発信されました。また、ドキュメンタリー監督・映像記者の岸田浩和さんは、ナイジェリア貧困地域のサッカーチーム作りに奮闘する日本人などを取材し、映像作品にまとめて発表されました。

さらに今年9月からは、これまで多くのオーサーからいただいていたご要望を受け、Yahoo!ニュース 個人で公開された記事を専門スタッフが校正するサービスも開始しました。

「Yahoo!ニュース 個人」の4つの新施策

そして今年のカンファレンスでは、「もっと届ける」「もっと身近に」「もっと役立つ」をさらに推し進めるための4つの新施策を発表しました。

1. オーサーの活動を安定して支援する「活動サポート費」

1万5000PV以上の記事を月に3本入稿いただくと30000円をお支払いする従来の「継続のインセンティブ」に加え、取材の際の交通費や電話に充てることを想定した「活動サポート費」の提供を開始します。1万5000PV以上の記事を月に1本入稿いただくと5000円をお支払いします。

2. オーサーの価値ある発信を表彰する「新MVA制度」

月間MVA(Most Valuable Article:社会の課題を伝え、議論を喚起し、解決を促進した記事を表彰する制度)に選定する記事の5本の上限を撤廃します。記事本数が増加する一方でMVAの上限本数は制度開始から変わっておらず、良質な記事をやむなく諦めて5本に絞り込むことが続いていましたが、今後は価値ある発信をより柔軟に表彰させていただきます。

3. 「G-Search」の上限額変動を撤廃

今年2月に開始した「G-Search」(過去30年以上にわたる新聞、雑誌の記事情報などを検索できるデータベースサービス)の無償提供について、利用時の上限額変動を撤廃します。これまでは執筆状況に応じ月ごとに上限額が増減し、また最高額は5万円となっていましたが、金額が気になり積極的に利用できないとの声を受け、今後は執筆状況にかかわらず一律で上限10万円まで利用できるようになります。

4. 新たなコミュニケーションが生まれる「Authors' Lounge」

新たな取り組みとして、「Authors' Lounge」を開催します。オーサーが講師となり執筆の工夫や取材方法などを解説する勉強会や特定の執筆テーマに関する座談会、参加者の懇親会などを、東京と大阪で3カ月に1回程度実施予定です。
オーサーがお互いの知識を共有し、オーサー同士、ヤフー社員との交流を深めていただくことで、オーサーの皆さまの社会の課題解決につながる発信をさらに支援していきたいと考えています。

オーサーアワードは江川紹子さん

「発見と言論が社会の課題を解決する」というYahoo!ニュース 個人の世界観を年間を通じ最も体現したオーサーを選出する「オーサーアワード」。昨年に続き、3度目の発表となります。

江川紹子さん

今年の受賞者は、江川紹子さん

江川紹子さんは今年、長年の取材テーマである刑務所問題のひとつ、「塀の中の摂食障害」をシリーズで発信。全国の刑務所を取材し受刑者・職員・支援団体などあらゆる立場の人の声を丁寧に伝え、大きな反響を呼びました。ほかにも、地下鉄サリン事件はなぜ起きたのか、事件から22年で改めて振り返る記事や、下関放火事件で服役を終えた男性のインタビューなど、深い問題意識や圧倒的な取材力をいかした多くの記事を執筆しました。

「2012年12月にオーサーとなって最初に書いた記事は『最高裁裁判官の国民審査をどうする?』というものでした。これからもこの舞台でいろいろな問題を提起したり、取材の結果を報告していきたい。Yahoo!ニュース 個人で、私たちが仕事しやすい環境がだんだんと整っています。それだけの期待をかけられていると責任を感じています。来年も頑張っていい記事を書いていきます」(江川さん)

オーサーコメントアワードは斉藤博昭さん

また昨年新設した、年間を通じて最も「社会の課題を伝え、議論を喚起し、解決を促進」するオーサーコメントを投稿したオーサーを選出する「オーサーコメントアワード」の今年の受賞者は、映画ジャーナリストの斉藤博昭さんです。

斉藤博昭さん

斉藤さんは映画ジャーナリストとしての豊富な取材経験を生かして、国内外問わずさまざまな切り口で記事とコメントを発信しています。蓄積された知見や、有名俳優を取材した際のエピソードなどにもとづいた他では読めないオーサーコメントは、映画ファンであるなしにかかわらず興味を引き出し、ニュースに対する新たな視点や解釈を提供しました。

「オーサーコメントは、他の人が書いた記事に付け加えたり、時には反論したりと、躊躇(ちゅうちょ)する部分もあります。しかし、自分の取材経験を出さないままにするのはもったいないと考え、コメントするようになりました。社会課題とエンターテインメントはつながりにくいかもしれないが、『疲れた人にエンターテインメントを』という言葉ももらったので、これからも取材を続けていい記事を届けていきたいです」(斉藤さん)

ヤフー株式会社 メディアチーフエディターの岡田聡

そして、ヤフー株式会社 メディアチーフエディターの岡田聡は、Yahoo!ニュース 個人を含む「個人プラットフォーム」構想として、2018年に映像クリエーターの発信サポートを開始することを発表しました。
ドキュメンタリーをはじめ、映像による表現・発信を行うクリエーターがYahoo! JAPAN上で作品を発表します。Yahoo! JAPANはこれからも個人の発信活動のさらなる支援強化、領域拡大を推進していきます。

「昨年から100名以上の映像クリエイターの方たちと膝を付き合わせ、みなさんが抱える課題や成し遂げたいことをお聞きし、ようやく道筋が見えてきました。Yahoo! JAPANという舞台をみなさんの作品提供の発表の場としていただきたい。その活動を通じて、私たちはインターネットの世界をもっとよくしていきたいと考えています」。

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