稲垣謙一
東北の小さな港町に、アイドル7組が襲来――BiSH、豆柴の大群など出演の「ONAGAWACK FUCKiN' PARTY 2020」速報
2020/02/16(日) 19:01 配信
オリジナル東北の小さな町に、BiSHや豆柴の大群など、アイドル7組が集結したイベント「ONAGAWACK FUCKiN' PARTY 2020」。宮城県・女川町と芸能事務所・WACKのコラボで生まれた、新たな復興のかたちだ。(取材・文:宗像明将/撮影:稲垣謙一/Yahoo!ニュース 特集編集部)
女川は私たちにとって大事な場所
宮城県・女川町は、2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波で大きな被害を受けた。建物の倒壊率は80%以上。住民の10人に1人が亡くなった。
その女川町で、昨年から「ONAGAWACK」というイベントが年に1回開催されている。BiSHなどが所属する芸能事務所・WACKの主催だ。今年は「ONAGAWACK FUCKiN' PARTY 2020」と銘打ち、2日間に渡るイベントを展開。初日の2月8日には、WACK所属のユニット総勢7組が次々にパフォーマンスを披露した。
オープニングアクトの1組目はWAgg。WACKによるアイドル育成プロジェクトだ。この日は、事前アナウンスなしで新メンバーのキラ・メイ、アイナスターがステージに登場し、会場からは驚きの声が上がった。
2組目のオープニングアクトは豆柴の大群。バラエティ番組「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で、クロちゃん(安田大サーカス)のプロデュースによって誕生したグループだ。
ライブ本編では、WACKの看板スター・BiSHがいきなり登場し、会場からはどよめきが起きた。BiSHは2018年には幕張メッセ国際展示場9~11ホールで17000人を動員し、2019年には大阪城ホールで12000人を動員している。
MCでセントチヒロ・チッチはこう述べた。
「女川は私たちにとって、とても大事な場所で、この女川とWACKのつながりというものはひとりの女の子の手紙から始まりました。その女の子の勇気と、女川町の皆さんの思いを、私たちBiSHやWACKの子たちがつなげていけるように、今日も精いっぱい届けていきたいと思います」
続いてはEMPiRE。カセットテープもリリースするユニークなスタイルで活動する6人組だ。2018年に初めてカセットテープをリリースして以降、すべての作品がベスト10入りしている。
そしてGANG PARADE。2019年に日比谷野外大音楽堂や中野サンプラザホールをソールドアウトさせた10人組だ。結成メンバーにして、坊主頭をトレードマークにするカミヤサキの脱退が5月に迫っている。
2019年に結成されたばかりのグループ、CARRY LOOSEも出演した。元BiSや元WAggのメンバーらによって構成されている。
「ONAGAWACK FUCKiN' PARTY 2020」のトリはBiS。2011年のライブ活動開始から解散と復活を繰り返し、現在は2019年から参加した4人で構成されている。
東日本大震災の後、女川町に設立された臨時災害放送局・おながわさいがいエフエムがBiSの楽曲を流したところ、ある高校生が、歌詞を聞くと津波の犠牲になった友達の言葉を思い出す――という手紙を送った。それがきっかけとなり、女川町に2012年に招かれたのがBiSだ。その時代のメンバーはもういないが、BiSの名を継ぐ4人がステージに立った。
ライブの最後には、女川町の人々の投票で選ばれた企画ユニット・ONAGAWACKSTARSも登場。女川町のための新曲「ON A GOT WORK」を初披露した。
その「ON A GOT WORK」では、こう歌われていた。
楽しいと嬉しいがすべて
――ONAGAWACKSTARS「ON A GOT WORK」
女川町とWACKはなぜ「楽しさ」や「嬉しさ」を目指すのか。Yahoo!ニュース特集では、「震災から未来をつかめ――もう被災地とは言わせない、宮城県女川町がアイドルと挑む『明るい復興』」も公開中だ。