[全訳] 韓国国防部「反論映像」全テクスト
1月4日午後、韓国国防部が日韓関係の懸案事項となっている「レーダー照射」問題について、先月28日に先んじて公開された日本側の映像に対する「反論映像」を公開した。
日本の市民の正確な理解に役立つよう、映像内の全テキストを翻訳した。
なお、映像はこちらから見ることができる。
韓国国防部Youtubeチャンネル
翻訳は筆者が行った。
また、繰り返し登場する「威脅」という表現は、日本語の「脅威」とほぼ同義と見てよい。
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日本は人道主義的な救助作戦の妨害行為を謝罪し、事実の歪曲を即刻中断せよ!
-日本の海上哨戒機の低空威脅飛行と虚偽主張に対する大韓民国国防部の立場-
チェ・ヒョンス国防部報道官/2018年12月28日
(韓日)当事者間で早急な協議を通じ、相互の誤解を払拭し、国防分野での協力関係の発展を模索する趣旨から、実務仮想会議を開催してからわずか一日の間に、日本側が映像資料を公開したことに対し、深い憂慮と遺憾を表明します。
何度も強調したように「広開土大王(クァンゲトデワン)艦」は正常的な救助活動中であり、わが軍が日本の哨戒機に対し追跡レーダー(STIR)を運用しなかったという事実に変わりはありません。
字幕
大韓民国の海軍が尋ねる
日本の海上自衛隊の目的は何か?
2018年12月20日15時頃
東海 海上
- 海洋警察撮影映像
広開土大王艦は漂流中の遭難船舶に対し、人道主義的な救助作戦を遂行していました。
人道的救助作戦が進行中の中、日本の哨戒機が低高度で進入しました。
(黄色い丸で「日P-1」)
(筆者注:バックグラウンドで「温かい水、温かい水を望んでいるそうです」という韓国の通信が聞こえる)
1. 日本の哨戒機はなぜ、人道主義的な救助作戦の現場で低空威脅飛行をしたのですか?
- 日本の哨戒機が撮影した映像
日本の哨戒機は広開土大王艦の150メートル上空、距離500メートルまで接近しました。
艦艇の乗組員たちが、騒音と振動を強く感じる程に脅威的でした。
日本が公開した映像を見ると、哨戒機も救助状況を認知していました。
人道主義的な救助作戦中の艦艇に非紳士的な偵察活動を継続し、広開土大王艦の人道的救助作戦を妨害する、深刻な威脅行為を行いました。
相互間に偶発的な衝突が発生するかもしれないため、武装した軍用機が他国の軍艦に低空威脅飛行をしてはいけません。
日本の哨戒機がわが軍艦の上をなぜ低空で威脅飛行をしたのでしょうか?
(画面中央に)日本は答えなければなりません。
2. 日本が国際法を遵守したと主張するのは果たして事実でしょうか?
日本は哨戒機が国際法を遵守したということを裏付けるため日本の防衛省ホームページに掲載した資料を調べると、国際民間航空協約と日本の航空法の施行規則を引用していました。
当時、哨戒機の飛行高度(150m)は国際法的に問題がないと主張しました。
資料の出処は国際民間航空機構(ICAO)国際民間航空協約付属書(Annex)2-4。高度150メートル以下の視界飛行を禁止する条項があります。
しかし、付属書の趣旨は国際法的に一般の民間航空機の運航と安全のための、一般飛行規則を定めるためのものです。
さらに、国際民間航空機構(ICAO)の国際民間航空協約は、軍用機には適用しないと明確に規定しています。
(画面中央に)日本は国際法を恣意的に歪曲し解釈しています。
3. 広開土大王艦は日本の哨戒機に向けて、射撃統制追跡レーダー(STIR)を照射しませんでした。
当時、広開土大王艦は人道主義的な次元の遭難船舶の救助のための探索レーダーだけを運用しました。
- (映像)出処:日本防衛省ユーチューブ
日本が公開した映像で日本の哨戒機は、レーダー電波を探知したと主張しながらも、依然として広開土大王艦の周囲を飛行しました。
※青字: 日本が主張するFC(火器管制)レーダーは、我々の射撃統制追跡レーダー(STIR)に該当
日本が公開した映像によると、日本の哨戒機は低空飛行をしながら、広開土大王艦の武装(艦砲)が「こちらを向いていない」とし、攻撃の意図がないことも確認しました。
もし、広開土大王艦が日本の哨戒機に向けて追跡レーダーを作動させたならば、
(画面の中央に)日本の哨戒機は即刻、回避行動をとっていなければなりませんでした。
しかし、広開土大王艦の方に再び接近する常識外の行動を見せました。
日本はなぜそうしたのでしょうか?答える必要があります。
4. 日本の哨戒機の通信内容は明確に聞こえませんでした。
- 広開土大王艦で受信された実際の通信音声
日本側が試みた通信は、雑音がひどく、広開土大王艦では明確に聞こえませんでした。
とりわけ、日本の哨戒機が通信を試みた時点は、
(画面中央に)すでに救助作戦の上空から相当程度、離れた後でした。
(画面中央に大きく)わが海軍は友邦国の海上哨戒機に、いかなる威脅行為も行いませんでした。
万一、日本側が主張する追跡レーダーの証拠資料(電磁波情報)があるならば、両国間の実務協議で提示すれば済むことです。
人道主義的な救助活動中だったわが艦艇に向けて、威脅的な低空飛行を行ったことに対し、謝罪しなければなりません。
日本はこの事案を政治的に利用せず、実務協議を通じ、事実確認の手続きに入らなければなりません。(了)