米長期金利低下と円高ドル安にいったんブレーキか?
6日に発表された8月の米雇用統計は非農業雇用者数が前月比14万2000人増と市場予想に届かなかった。6~7月分も下方修正された。一方、失業率は4.2%と前月から改善、平均時給の伸びが市場予想を上回った。
非農業雇用者数は予想を下回るも雇用は改善、平均時給の伸びが市場予想を上回り物価に上昇圧力が加わる可能性も。
これを受けての米債はいったん買い進まれ、米10年債利回りは一時3.64%と2023年6月上旬以来、約1年か月ぶりの水準に低下した。
しかし、9月のFOMCでの0.50%の大幅利下げの予想確率が低下するなど、目先の大幅利下げ観測が後退したことで、米債も戻り売りに押されて、結局、米10年債利回りは3.71%と前営業日の3.73%から小幅低下に止まった。
利回りは上昇したのではなく低下していた。ただし、3.64%まで低下していたことでいったんコツンと底を付けた可能性があるような動きではあった。
これはドル円も同様で、いったん141円76銭まで下落し(円高ドル安)、8月5日につけた141円70銭に迫ったところでブレーキがかかった。その後ドル円は142円台を回復。
ナイトセッションの債券先物は145円41銭まで買われた後、144円81銭まで下落した。その後145円20銭台まで買われた後、結局、6日の引けから20銭安の144円98銭で引けている。
債券先物は12日の9月限の取引最終日を控えた限月移行も意識した動き、いわばポジション調整であった可能性はある。それでも米債は売られてはいなかったにも関わらず、欧州の国債も買われていたのに、債券先物は20銭安というのはどうしてか。
あらためて日銀の利上げが意識されての水準調整の可能性はあるものの、特にそれを促すような材料はみあたらなかった。
6日に日銀の高田審議委員の会見内容が日銀のサイトにアップされたが、追加利上げの可能性を強く示した様子はなく、むしろ慎重さが意識された内容としなっていたと思うのだが。
いずれにしても債券先物については目先、9月限から12月限への中心限月の移行、いわゆるロールオーバー主体の動きとなることが予想される。
米長期金利とドル円については、いったんコツンと目先の底を付けた感はある。しかし、大きな流れからみて、少しもみあったあと、あらためて低下の余地を探ることが予想さされる。
米長期金利は3.5%近辺、ドル円は140円が次の目標値となりそうである。