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2024年の金融市場を振り返る。4~6月

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

4月

 4月12日に金(ゴールド)の国際価格が最高値を更新した。

 15日のニューヨーク市場で154円45銭まで上昇し、1990年6月以来、約34年ぶりの高値を更新した。つまり1990年6月以来の円安水準となった。

 日経平均株価は1989年末の最高値を34年ぶりに更新した。米国株式市場でも主要3指数が過去最高値を更新し、欧州の株式市場でも主要指数が過去最高値を更新していた。

 ユーロ円は一時166円90銭と2008年以来の円安ユーロ高水準を付けている。2008年のユーロ円の最高値は169円77銭とまだ多少距離はあるものの、そこを窺う可能性も出てきた。

 昭和の日の休日で東京市場が休場だった29日に、ドル円は一時160円24銭と1990年以来の高値を付けた。

5月

 FRBは1日、FOMCを開いて政策金利の据え置きを全会一致で決めた。金利据え置きは6会合連続となる。

 日本銀行の植田総裁は7日の夕方に、首相官邸で岸田首相と会談し、為替が経済物価に与える影響などについて議論した。

 日銀は13日の国債買い入れで一部のオファー額を減額した。残存期間5年超10年以下対象が4250億円と前回の4月24日の4750億円から500億円減額した。3月に日銀がイールドカーブ・コントロールを解除してから初めての買い入れ減額となった。

 20日のロンドン金属取引所(LME)の銅相場は一時、過去最高値を更新した。

 日銀は21日、社債の買い入れオペ(公開市場操作)を通知した。買い入れ額を250億円減額し、これまでの1000億円から750億円にした。

 22日に10年国債の利回り(長期金利)は、2013年5月以来およそ11年ぶりに1%を付けてきた。

6月

 欧州中央銀行(ECB)は6日に開いた理事会で、政策金利を0.25%引き下げることを決めた。利下げは2019年9月以来、4年9か月ぶりとなる。

 28日の9時50分過ぎに、ドル円が大きく動いた。160円70銭台から5分足らずの間に161円10銭台に上昇した。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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