岡山の老舗製麺所が“究極のハイブリッド中華麺”と“こだわりのパスタ”を発売
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岡山の名だたるラーメン屋さんで使われている中華麺や、東京にあるイタリアンの名店のパスタなどを製造している、昭和22年創業の老舗「冨士麵ず工房」(岡山市北区下伊福本町)。5月14日に会長・社長就任披露会が行われました。その際に新商品の発表会も行われ、冨士麵ず工房の「本気」を目の当たりにしてきました。
新時代、突入
1984年から、約40年もの間社長として組織をけん引されてきた冨士麵ず工房 波夛伸司さんが取締役会長に。そしてその跡を息子の波夛悠也さんが代表取締役に就任されました。波夛悠也代表取締役は大学時代にはラーメン好きが講じて、毎日ラーメンの食べ歩きをし研究をされていたそうです。その経験が今の礎になっていると語られていました。そして2008年からはおいしい生パスタを作りたい!という思いを持つようになり、以来岡山で自分がおいしいと思える生パスタを普及させたいという思いで走り続けています。
老舗製麺業のイノベーション
日本では何事も機械的なものよりも「手作り」ということが好まれます。何かを作り上げるという行為は、その対象に血と汗がしみこむことでそれが本来の品質にさらに価値を加えていると思われているからです。では食に関してはどうでしょうか。例えば麺料理を提供する飲食店での「旨い」のためには、安定した高品質の麺であることが絶対条件です。これをすべて手作りしていたのでは、麺を作ることに追われ「旨いのため」に、という思いを見失ってしまうことになりかねませんよね。
この工程をプロの製麺所にマルっとお任せすると、どうでしょう。飲食店のオーナーさんは、麺作りに追われていた時間を新商品の開発や研究に充てる事ができ、お客さんはおいしいメニューを食べる事ができます。いかに現場のオペレーションを効率化しながら、上質な新商品を提供していくか。昭和22年創業の老舗だからこそできる、イノベーションに挑戦し続けています。
究極のハイブリッド中華麺「十二麺体」
2015年に誕生したパスタブランド「ハタフレスカ」の開発段階で生まれたハイブリッド中華麺。どんな麺かというと、特注の切刃で仕上げるため麺が不均質。そして麺の断面をクロス型の十二面体にすることで、縮れや手もみにでは表現できないテクスチャーを実現しています。
試食では『ミシュランガイド岡山』にも掲載された岡山の有名ラーメン店「麺酒一照庵」の大野浩史代表が仕上げた至極の一杯をいただきました。不均質な麺にはまぐりのスープが絡み、やわらかく心地よい歯切れが印象的でした。
シェフのニーズから生まれた「ハタヤリン」
『ミシュランガイド東京』でも高く評価されている代官山にあるイタリア料理店「TACUBO」の田窪シェフの要望から生まれたタヤリンタイプの生パスタ。タヤリンとは卵黄をふんだんに使用したリッチなパスタで、ツルッとしたのどごしが特徴のパスタです。徳島産の卵「あわそだち」のの卵黄と北海道産の小麦粉「きたほなみ」で作られています。麺幅1.66mmで切り出し、中華麺の技法により柔らかい歯切れではなく日本人が好む歯切れと食感を実現しました。
ちなみにハタヤリンを作る上で欠かせないのは卵黄ですが卵白の行方はというと、TACUBOのフィナンシェの材料になっているのだそうです。食品の無駄を出さない姿勢もSDGsですてきですよね。
厨房で作る手打ちパスタとも異なる独特の歯応えを実現したことによってミシュランレストランをはじめ、多くのシェフに支持されている極上のパスタなのです。
こちらのハタヤリンを使って、東京の有名イタリアンレストラン「NoCode」の米澤文雄シェフが『マッシュルームとピスタチオデュカ風味』を作ってくださいました。中東風のミックススパイスと歯切れの良いハタヤリンの組み合わせが絶妙の一皿でした。
そしてハタヤリンと同じ原材料で作られた平たいパスタ「マルタリアーティ」で作られた「ペストレジェッロ」。ツルッとした喉どしのパスタで歯応えもあります。
こちらは東京の有名イタリアンレストラン「la Brianza」の奥野義幸シェフが作ってくださいました。有名シェフが試食といえども作ってくださる一皿にただただ感激です。
自宅でも楽しめます
冨士麺ず工房では、自宅でも楽しめるよう「十二麺体」と「ハタヤリン」を2023年6月1日より発売開始します。それぞれの麺の持つ歯応えや味わい、そしてスープやソースの相性によって多様に変化する麺の魅力をお楽しみください。
麺の概念に囚われず、さまざまな革新に取り組まれている冨士麺ず工房。あなたのよく行くお店の麺も実は冨士麺ず工房のものかもしれませんね。ついついスープやソースに焦点が行きがちですが、これからは麺にも注目してみようと思います。