AIとの相性がいい折りたたみスマホ「Pixel 9 Pro Fold」を使ってみた
9月4日に発売となる、グーグルの折りたたみスマートフォン「Pixel 9 Pro Fold」を数日間、試用する機会を得た。すでに発売済みのPixel 9 Pro XLも使っているのだが、Pixel 9 Pro Foldは開いたときの大画面による使い勝手の良さが他機種にはない「個性」に仕上がっている感がある。
Pixel 9 Pro Foldは閉じたときには6.3インチ、開いたときには8インチの大画面スマートフォンとして使える。
本体は開いたときは5.1mmと、サムスン「Galaxy Z Fold6」の5.6mmと比べてもかなり薄い作りだ。しかし、Pixel 9 Pro Foldの重さは257gとなっており、Galaxy Z Fold6の239gと比べても重くなっている。
確かに薄いのは魅力的だが、個人的にはGalaxy Z Fold6の重厚感があり、質感の高いデザインのほうが気に入っている。高級感のあるものづくりにおいては、6世代も積み重ねてきたサムスン電子の方が一枚上手なのかも知れない。
今回、カメラ周りに関しては、AIとの組み合わせにより、撮影者も一緒に集合写真を撮影できたり、オートフレーム機能、ズームの向上などはすでに発売されているPixel 9シリーズと同等だ。カメラ性能が欲しくて、わざわざ25万7500円もする、折りたたみスマートフォンを買う必要はないだろう。
実際に前モデルのPixel Fold、さらに今回のPixel 9 Pro Foldを使ってみて「折りたたみだからこそ便利」だと感じたのが、グーグルのAIである「Gemini」との併用だ。
例えば、メールを書いている際、「時節柄の挨拶文」の参考例をGeminiに尋ねると
「暦の上では秋ですが、まだまだ残暑が厳しいですね。いかがお過ごしでしょうか」といった文章を教えてくれる。これをコピペしてメールに貼り付ければ、すぐに冒頭の文章が完成する。
最近になって、Geminiを呼び出すのに、電源ボタンを長押しするだけでよくなった。しかも画面の一部に重なり合うカタチで表示されるので、使っているアプリとGeminiとの行き来がとてもやりやすくなったのだ。
さらに、これがPixel 9 Pro Foldとなれば、大画面でメールが書け、しかもGeminiを呼び出しても、表示が邪魔されず、ストレスを感じることなく、アプリとGeminiを往復できる。このちょっとした使い勝手の良さが「Pixel 9 Pro XLじゃなくて、Pixel 9 Pro Foldのほうがいいかも」という気にさせてくれるのだ。
また、今回のPixel 9 Pro Foldは折りたたんだ際のディスプレイ比率が、一般的なスマートフォンに近い比率となっている。そのため、アプリの表示などが自然であり、このあたりのストレスを感じないというのがまた良かったりする。前モデルは、やや縦が短いディスプレイとなっており、使っていてちょっと違和感があったりもした。その点に関してPixel 9 Pro Foldは閉じても開いても使い勝手が増している感があるのだ。
Pixel 9 Pro FoldはGeminiを積極的に多用していきたい、AIがスマートフォンのユーザーインターフェースをどのように変えていくかという点において、かなり期待値の高いデバイスと言える。
未来のスマートフォンの姿を先取りできるという点においても、Pixel 9 Pro Foldはかなり面白い「AI折りたたみスマートフォン」と言えそうだ。