濃厚絶品のプリンが源泉掛け流しの日帰り温泉で。温泉パンも好評、栃木県の「与一温泉」
温泉ライターの泉よしかです。
栃木県の温泉といえば有名なエリアは、日光、鬼怒川、塩原、那須方面。しかし東北自動車道や東北新幹線より東側にも実はとても良い温泉が湧いているのです。
今回はその中から大田原市の「与一温泉」を紹介します。
元は旅館だった「与一温泉」
那須与一と与一温泉
さて、「平家物語」でも有名な場面「扇の的」に、那須与一(なすのよいち)という弓の名手が登場します。源平合戦の屋島の戦いにおいて、平家方の女官の扇を若い那須与一が見事い抜くという筋立てで、弓をつがえる与一の緊迫したシーンがとても印象的です。
この那須与一が幼少期を過ごしたという言い伝えがあるのが、栃木県大田原市。市内にある那須氏の菩提寺である玄性寺には、与一の眠るお墓もあります。
東日本大震災から日帰り温泉に
そんな那須与一にちなんで名づけられた大田原市の「与一温泉」。現在は日帰り温泉のみの営業ですが、以前は宿泊できる旅館でした。
しかし東日本大震災で大きなダメージを受けて、一時は存続も危ぶまれるほどに。
客室などに使っていた2階や3階の被害は大きく、少しでも使えそうだった畳などは剥がしてきて、1階の受付前などで今も使用しているそうです。
幸いなことに、震災後も源泉の湧出状況に変化はなく、その後は日帰りで温泉営業を続けることに。現在も地元の人を中心に愛されている、普段使いの温泉となっています。
源泉掛け流しの与一温泉
与一温泉はpH9前後のアルカリ性単純温泉で、これを非加熱非加水の源泉掛け流しで注いでいます。内湯も露天風呂も、湯口から出す湯量の調節のみで快適な温度に。
源泉温度が45度強と、熱すぎずぬるすぎないことから実現できる湯遣いですが、それでも夏は少し熱め。暑い季節にサッと入ってさっぱりするのも気持ちが良いものですが、寒い時期こそゆっくり入れてさらにオススメとのお話でした。
与一温泉は単純泉とはいっても、湯口から出るお湯にはゆで卵のような硫化水素臭がして、けっして一筋縄ではいかない名湯です。また内湯には水風呂があるので温冷交互浴も楽しめます。
名物は手作りプリンや温泉を使ったパン
与一温泉特製「ちーちゃんのてづくりぷりん」
温泉から上がったら、ちょうど受付で自家製プリンを販売しているのが目に留まりました。なんと女将のゆうこさんのお嬢さんが手作りしているとのこと。
1つ250円。不定期販売ですが、ちょうど先ほど作り立てが届いたそうでラッキーです。
テイクアウトはできず、休憩室でいただけるのみだということで、さっそく「いただきます!」。
瓶の縁までたっぷりと入っていて、表面にバニラのつぶつぶが見えます!
卵の味がとても濃厚!そしてカラメルがほろにが甘く、スプーンで最後の最後まで綺麗にすくいとって食べてしまいました。とても美味しいプリンです。
温泉を使った温泉パンも人気!
女将のお嬢さんが焼く、与一温泉の源泉を使った温泉パンも人気です。こちらも不定期販売。
販売状況は与一温泉公式Instagramのストーリーズで告知しているということですので、気になる方はぜひチェックしてください。
オリジナルのしおりやカードも
上で紹介した公式Instagramを見て頂けるとわかりますが、与一温泉は昔ながらの温泉施設であるとともに、どこか楽しさ、可愛らしさのある施設です。明るい女将さんとアイデアマンのお嬢さんの行動力が、手作りプリンや温泉パンといった人気商品を生み出し、地元の人だけでなく遠方にもファンを増やし続けているのでしょう。
手作りのしおりやカードもお客さんに喜ばれているそうです。女将さんのほか、保護猫のゴマサバちゃんのカードが登場することもあるそう。
ゴマサバちゃんには帰りがけに会えました。猫好きさんにもオススメの温泉です。
与一温泉
住所:栃木県大田原市佐久山3123-2
電話:0287-28-2621
営業時間:10:00~21:00
定休日:第3火曜日
入浴料:大人600円、小学生300円、未就学児無料
公式サイト:与一温泉(外部リンク)
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