【京都市】2024祇園祭山鉾巡行の順番が決まる 山一番は油天神山(前祭)と黒主山(後祭)魅力を紹介
2024年祇園祭の山鉾の巡行順を決める「くじ取り式」が7月2日、京都市役所市議会議場で行われました。その結果、前祭(さきまつり)(17日)のくじ取らずで先頭を巡行する長刀鉾(なぎなたぼこ)に続く山一番は油天神山に。後祭り(24日)のくじ取らずの橋弁慶山、北観音山に続く山一番は黒主山(くろぬしやま)に決まりました。
「くじ取り式」は、室町時代の「応仁の乱」の後、巡行の先頭をめぐる争いを避けるために始まったといわれています。34基の山と鉾のうち、あらかじめ順番が決まっている10基を除く24基の順番をくじを引いて決める儀式です。油天神山保存会 の代表理事は、「本当にうれしく存じます。疫病退散、皆さんの平和、安寧を願って巡行を進めたい」と決意を語りました。
巡行順は以下の通りです。
長刀鉾 (なぎなたほこ)は「くじ取らず」として、毎年、前祭で先頭を巡行します。現在では、唯一生稚児が奉仕する鉾で、2024年は祇園にしかわ代表取締役の御子息で、株式会社井筒代表取締役のお孫さんとなる洛央小学校6年生の西川雅基さん(11歳)が務めます。巡行中は町名が変わる度に圧巻の稚児舞が披露されます。
油天神山 (あぶらてんじんやま) は、古くから町内(風早町)に祀られていた天神様を勧請して作られた山で、油小路綾小路下ルにあるところから、「油天神山」と呼ばれています。粽(ちまき)には、道真公に因む梅花が付けられ、手拭や絵馬、学問成就の御守などが授与されます。胴懸は左右共に前田青邨原画で、平成12年・13年新調の紅白梅を用いています。
黒主山 (くろぬしやま)は、謡曲「志賀」に因み、大伴黒主が桜花を仰ぎ眺める姿が表されています。授与品ともなる山に飾る桜の造花は粽と同様に戸口に挿すと悪事が入ってこないといわれていて、人形着用の古衣裳の小袖や袴は、江戸時代初期の銘がある貴重なものです。前懸は、中国・明の皇帝が即位の際に着た衣服とされ、現在は復元新調されています。
ユネスコの世界無形文化遺産にも登録された京都・祇園祭の山鉾巡行は、山鉾を彩る豪華な懸装(けそう)品から「動く美術館」ともいわれます。氏子地域の町衆の人たちの並々ならない努力によって伝統が今日まで継承されてきました。7月10日過ぎから各山鉾町で鉾建てが始まります。比較的空いている宵山前に絢爛豪華な懸装(けそう)品をじっくり見るのも一興ですよ!