中国テンセント、世界最大のレコード会社買収に関心示す
ロイター通信によれば、世界最大のレコード会社ユニバーサルミュージック・グループ(UMG)の買収を目指して、中国のIT企業大手のテンセントが運営するTencent Musicと、米国の投資会社KKRが関心を示していると報じられた。
買収の詳細は不明だが、ユニバーサルミュージックの株式最大50%分の取得を目指して、それぞれ最大200億ユーロ(約2兆5340億円)の買収額をオファーすると関係者の情報として伝えられている。
また、ユニバーサルミュージックの親会社であるフランスのメディア企業大手ヴィヴェンディは、買収案件を主導する投資銀行の選択に入ったともロイターは伝えている。幹事役となる銀行は3月中に決定し、売却プロセスは2019年Q2(4-6月期)に始まる可能性が高い。さらに、ヴィヴェンディは入札を希望する企業と非公式レベルで交渉も進めていることも明らかになった。
ユニバーサルミュージック・グループは、ソニーミュージック、ワーナーミュージックと合わせて、「世界3大メジャー」と呼ばれる所謂メジャーレコード会社の一つで、3社の中でも最大の売上を誇る。
同社が発表した2018年の業績は、売上高がグループ全体で60億2300万ユーロ(約7,648億円)。2017年から10%増加を達成している。
2018年には、ドレイクやポスト・マローン、『アリー/ スター誕生』サウンドトラック、ビートルズ、XXXTentacionがグループの業績を牽引した。特にユニバーサルミュージックは音楽サブスクリプションからの売上高が順調に伸び、同社の成長に貢献しており、前年比37.3%増の25億9600万ユーロ(約3298億円)を記録した。
世界最大のレコード会社の売却をめぐり、巨額の資金が世界中で動きそうだ。
(この記事は、音楽ビジネスメディア「All Digital Music」に掲載された記事に加筆しています)