「黙れ!私は一輪のバラだ!(※中略)」タキシード仮面の珍登場シーン集 職質受けないのが不思議?
90年代、「セーラームーン」シリーズで女児たちの初恋を奪っていった、タキシード仮面。今も「かっこいい存在」として、彼を覚えている方もいるのではないでしょうか。しかし、タキシード仮面の登場シーンはよく見るとかなり独特で、SNSでは「変態ポエマー」「大人になってから見るとウケる」との声もあるほどです。この記事では、タキシード仮面の珍登場シーンを3つご紹介します。
《R》第20話「うさぎの親心? カレーな三角関係」
ちびうさの小学校のカレーパーティーに、父兄の代わりとして参加するため、カレー作りの特訓をするうさぎ。特訓がひと段落したうさぎは、一緒にパーティーに参加する衛やちびうさと3人で、十番スーパーへと買い出しに行きます。
しかしそこには、敵のドロイド・「アボガードラー」が。彼女は、スーパーを汚染しようとたくらんでいたのでした。セーラームーンに変身したうさぎと駆けつけたセーラーマーズが応戦するものの、アボガードラーに追い詰められてしまいます。
アボガードラーが、「ライチの皮むきボンバー」でセーラームーンにとどめを刺そうとしたとき、それを阻止する一輪のバラが。タキシード仮面が彼女たちのピンチを察し、駆けつけていたのでした。そして登場時のセリフをキメます。
「スーパーは庶民の健康の泉。新鮮な高原野菜やとろけるようなしゃぶしゃぶ肉が怒っているぞ!」。思わず「どういうこと?」とツッコミたくなるセリフですが、実はこの少し前に、セーラームーンが同じセリフを言っていたのでした。
「わあ、私とおんなじセリフ!やっぱり気が合う!」と、うっとりするセーラームーン。ただし本当に気が合うのか、最初からセーラームーンを見守っていて堂々とパクったのかは不明です。どちらにしろ、ちょっと気持ち悪さが漂う「迷セリフ」といえるでしょう。
《SuperS》第1話「運命の出会い! ペガサスの舞う夜」
数世紀ぶりに皆既日食が起こり、新たな敵「デッドムーン・サーカス」が東京に現れます。魔女・ジルコニア率いるアマゾントリオは、世界征服の第一歩としてペガサスをとらえるべく、「美しい夢」を持つ者を探していました。
アマゾントリオのひとりであるタイガーズ・アイは、美しい夢を持つ者の候補として、うさぎの友人・古幡宇奈月を確保。敵であるレムレス・「自動人形からくり子ちゃん」も登場し、助けに来たセーラームーンは苦戦します。すると、からくり子ちゃんの顔に一輪のバラが当たります。
「星の光に濡れた夜を、無粋な邪悪で騒がす輩は許さない」と、タキシード仮面が電灯の上にしゃがんで登場。ここまではまだかっこいいものの、それを見たタイガーズ・アイは「まあ……なあに?その女ったらしのようなかっこ!」と一刀両断。
しかし動じないタキシード仮面は「黙れ!貴様に言われたくはない。私は悪を切り裂く一輪のバラだ!」と言い切り、戦闘を開始。あっという間にタイガーズ・アイを追い詰めたのでした(その後、タイガーズ・アイの罠にかかっていますが)。
おそらく「かっこいい」と思って着ているであろう服を、出会い頭にディスられてしまったタキシード仮面。しかし全く動じず「黙れ」と言い返し、自らを「一輪のバラだ」と言い切るメンタルの強さは、さすがと言うほかありません。
《S》第1話「地球崩壊の予感?謎の新戦士出現」
中学3年生になり、高校受験に向けて一緒に勉強していたうさぎたち。しかし、悪夢に悩まされるレイの予感は当たってしまいます。レイは、敵であるダイモーン「ミクージ」に捕らえられ、「ピュアな心」を奪われそうになるのです。
一緒に勉強しようと火川神社に集まったうさぎたちは、その様子を見て助けに入ります。しかし、これまでの敵とは段違いに強いミクージに、全員が苦戦。セーラームーンに近づくミクージですが、その頭に突如、一輪のバラが刺さります。そう、タキシード仮面が助けに来たのです。
ただ、彼が現れたのは、満開の桜の木の上。しかも桜に埋もれてしまい、上半身しか見えていません。「春爛漫!」とよく分からないキャッチコピーからセリフを始め、「とうっ!」と飛び降りるタキシード仮面。そして、ミクージの注意を引き付けた途端「今だ!セーラームーン!」とバトンタッチ。出てきて早々、役目を終えるのでした。
セーラームーンたちが助かったのは確かですが、タキシード仮面の挙動はこの回でも、なかなかにあやしいもの。一歩間違えると、「春になると増える変な人」として、職務質問されそうなほどです。
しかもその後、タキシード仮面はミクージにあっさりとやられてしまいます。なのに、締めのシーンではちゃっかり戻ってきて、セーラー戦士たちと並んでキメ顔をしています。一体、強いのか弱いのか、何がしたいのか……彼への謎は深まるばかりです。
なお各シリーズとも、「dアニメストア」「U-NEXT」「Amazonプライム・ビデオ」などで見ることができます。
当時はセーラームーン同様、女児たちが「かっこいい」と見とれていたはずのタキシード仮面。しかし他にも、空中ブランコに乗って登場したり、ベンチに座って無言で登場したりと、オリジナリティあふれる登場シーンを披露しています。大人になってからよく見ると、そのツッコミどころの多さに、別の意味で目が離せなくなりそうです。
<関連情報>
美少女戦士セーラームーン 30周年プロジェクト公式サイト
その他、下記サイト(Yahoo!ニュース提供社)でもアニメ記事を執筆中です。
タキシード仮面の爆笑奇行集「なかなかの変態」「だいたい何言ってるかわからん」
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新美友那@アニメライター/編集/ディレクション/いなフリ金谷9期/リベ大/元公務員
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