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【香芝市】春の大護摩焚きはド迫力の炎!所願成就を願う楠公矢除身替観音寺の恒例行事に参加

にゃんこWebライター(香芝市・広陵町)

桜の季節も終わりを迎えるころ、香芝市田尻にある楠公矢除身替観音寺では例年4月18日に春の大法会柴燈護摩が行われます。

私はYahoo!ニュースエキスパート地域クリエイターの活動を始めてすぐ、担当地域の年間行事について調べました。その中で、春の恒例行事のひとつとしてこの寺院での大護摩焚きの炎の迫力が凄いと知り、どんな行事かぜひ見に行こうと思っていたのです。

楠公矢除身替観音寺とは

「観音寺」という名の寺院は高野山真言宗の寺院として全国各地にあります。

確かに、「観音寺」で検索すると全国あちこちの観音寺が揚げられます。

なかでも香芝市田尻にある観音寺は、南北朝時代の人物で歴史の教科書に登場した、楠木正成ゆかりのお寺として知られています。

が…今回の行事に楠木正成は関係ありません。すみません。

この寺院の特徴について説明したかったため、あえて書かせていただきました。

本尊は、十一面千手観音菩薩立像です。

また、桜の名所でもあり、少し前なら桜がめちゃキレイに咲き誇っていたそう。

もう少し季節がすすめばアジサイもきれいだそうです。また行ってみたいです。

「春の大法会柴燈大護摩供」とは

行事が始まる前の境内はこんな感じでした
行事が始まる前の境内はこんな感じでした

さて、今回の「柴燈大護摩供」ですが、もともとは山伏が山岳修行の際、柴(しば)を使い護摩壇を設け、所願成就を祈念する、天台宗や真言宗の伝統行事です。

行事が始まる前に、参列される皆さんは護摩木に願い事を書いたのですが、それらを道場中央に設けた護摩壇の燃え盛る炎に投じます。

立ち上がるお不動さまの智慧の炎が鎮火するまで見届けながら、開運や厄除、所願成就を祈念します。

行事が始まるまでの寺院のようす

寺院に到着したのは12時半ごろで、行事が始まる約30分前でした。

運よく、寺院横の駐車場に車を停められたので、よかったと思いつつ、境内に向かう階段を上りました。

まずはお参りをして、おみくじを引き、境内を散策。

おみくじは1回50円。安い!けどおみくじの機械が50円玉しか対応していないので、両替してもらいました。

機械の右側に、両替用の50円玉がいくつか置いてあるので、100円を置いて50円玉をもらったらいいそうです。

「今日は人がたくさんいるけど、普段は大丈夫なのかな」とちょっと心配になったり。

また、一願地蔵にお願いも。

このお地蔵さまは、「一願」という名がついているだけに「願いごとひとつだけ」叶えてくれると言われています。

よい機会なので護摩木に願い事を書いて祈祷をお願いしました。

護摩木は1本300円。1本に書く願い事はひとつなので、複数お願いしたい場合は追加でお納めする必要があります。

私の願いをひとことで。具体的内容は内緒。
私の願いをひとことで。具体的内容は内緒。

13時前になり、見物客が集まってきました。寺院のお手伝いをされている方も含めて40人〜50人はいらっしゃったようす。臨時駐車場が必要になるのがわかる気がしました。

意外だったのは、高齢の方から若い人までさまざまな年齢層の方が集まっていたこと。赤ちゃん連れ・幼児連れの方や外国人の方もいらっしゃったのは新鮮でした。

柴燈大護摩供の儀式開始

13時をちょっとすぎると、法螺を拭きながら袈裟姿と行者姿のお坊さん数人の行列が登場、本尊と西国七十八か所のお砂場所(本堂の近くにあります)で祈祷が始まりました。

本堂に向かわれる様子
本堂に向かわれる様子

県内各所の寺院の住職・副住職をされている方がこの行事を執り行ってくださっています
県内各所の寺院の住職・副住職をされている方がこの行事を執り行ってくださっています

その後結界のなかで斧や刀の作法が行われました。

斧の作法
斧の作法

刀の作法
刀の作法

その後、弓矢を四方に放ち、さらに結界を強める作法に入りました。

放たれた矢をもらった人は、その矢を厄除けのお守りとして持ち帰っていいそうです。

この時はすぐそばで見学されていた女性が白刃どりのごとくキャッチされました
この時はすぐそばで見学されていた女性が白刃どりのごとくキャッチされました

いよいよ点火です。大護摩焚きの開始。

役目を終えたお守りや先ほど願いを書いた護摩木も御祈祷の炎の中に。

この日はちょっと肌寒い日でした。そういえば行事が始まる前、寺院の境内で

「今日はちょっと肌寒いなぁ」

「でも、火ぃ焚くからこれぐらいで暑すぎへんからちょうどええわ」

とお話しされているのを聞きました。

え…どんだけすごい炎…?とその時思ったのですが、意味がやっと分かりました。

そりゃ熱いわ(「暑い」から「熱い」に変換したくなるほど)。

また、「炎の迫力は格別」とも聞いていました。これもホント。

その場にいると灰もけっこうかぶります。ちなみにこの灰は縁起がいいのでどんどんかぶっちゃったほうがいいそうです。

「火渡り」で嘘や煩悩を取り払う

完全燃焼後は「火渡り」といって、燃えた跡を裸足で渡り、これまでについた嘘や煩悩を取り払う儀式がありました。これは見学者にぜひ参加してくださいとのお声かけが。

私もさっそく裸足になって渡ってきました。

熱かったらどうしよう…と思いながら渡りましたが、足は全然熱くありませんでした。

むしろ、煙が目に入って痛かったので、いつかこのような行事に参加される方は足より目に注意です。

渡り切った後は不動明王様にお参りします。お餅かみかんのどちらかを受け取って終わりです。

何人かの火渡り参加者の方は、水道で足裏を洗っておられました。私はそのまま帰っちゃったんですが、家で足裏をよく見ると…煤だらけでした。

この寺院では毎月18日に護摩焚きが行われていますが、年1回、4月18日に今回のような「春の大法会柴燈大護摩供」が行われます。次は来年…になってしまいますが、

  • どうしても叶えたい願いをお願いする
  • 厄除けを願う
  • ド迫力の大護摩炊きの炎を間近で見る

ためにぜひ来年、参加してみてはいかがでしょうか。

今回の行事以外にも、この寺院には御朱印をもらう、桜やアジサイを鑑賞するなどで訪れるのもアリです。特にこの寺院の御朱印帳は切り絵の表紙でオシャレなデザインだと人気だそうです。御朱印デビューもアリですよ。

寺院詳細

高野山 真言宗 烏岳山 観音寺(矢除身替観音)@migawari_kannonji
>>公式サイト
住所:奈良県香芝市田尻351
近鉄大阪線関屋駅より徒歩15分
電話番号:0745-76-3469
無休・拝観自由
駐車場:有(無料)

Webライター(香芝市・広陵町)

高校生男子1人と中学生女子1人の子持ち(一番上は今春就職し独立)。本と歴史、古民家と食べることが好きなWebライターにゃんこです。グルメ記事の参考までに⇒胃袋の容量は男子高校生並。家族が食べるスイーツの担当はドラフト会議で決めます。香芝市と広陵町の”えぇとこ”を探して発信していきます。

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