ユーロが対ドルでパリティ(等価)に接近
12日のニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで20年ぶりの安値を付け、パリティ(等価)に近づいた。
ロシアとドイツを結ぶ主要パイプライン「ノルドストリーム1」での天然ガス供給が11日から定期保守点検のため完全に停止した。期間は10日間だが、ロシアのウクライナ侵攻で緊張状態が続く中、欧州の各国政府や市場、企業は延長される可能性を懸念している。
フランスのルメール経済・財務相は10日、フランス政府がロシア産ガスの供給全面停止に備えていると述べた。
ドイツは天然ガスに関する3段階の緊急計画で第2段階に移行し、ロシア産ガスの供給が停止した場合のリセッションについて警告した。
ロシアとドイツを結ぶ主要パイプラインによる天然ガスの供給が止まると、欧州経済への影響も大きくなり、ガス不足が景気悪化を招くとの見方から、ユーロが対ドルで20年ぶりの安値をつけた格好となった。
ECBが金融引き締めでFRBに出遅れていることも、ドル高ユーロ安の要因とされている。
また、前週のジョンソン英首相の辞任表明を受けて11日は英政治の不透明感が浮上し、ポンド売り・ドル買いも進んだ。
米長期金利の上昇に加え、参院選後の日銀の政策修正への思惑も加わってか、ドルは円に対しても上昇し、137円台をつけてきた。
ドルの全面高という様相でもあるが、単一通貨ユーロが誕生初期以来初めて対ドルでパリティ(1ユーロ=1ドルの等価)割れとなるのかにも注目が集まる。