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学術団体もファーウェイ制裁に加入、中国研究者が反発

高口康太ジャーナリスト、翻訳家
米国の制裁を受け、ファーウェイとの関係を停止する動きが広がっている。(写真:ロイター/アフロ)

国際学術団体の米国電気電子学会(IEEE)は、2019年5月29日までに米国による制裁を受けて、ファーウェイ従業員及び同社から資金援助を受けた個人は、同学会の論文審査に関与できないことを決定した。IEEEのニューテクノロジーカウンシル北京分会主席、IEEE NANOを務める張海霞・北京大学教授が、自身が運営するSNSアカウントで発表した。

米政府はファーウェイをエンティティリストに掲載した。米国企業はファーウェイとの取引が禁止されるほか、他国の企業であっても米国の技術を利用した製品をファーウェイに販売することが禁じられる。だが、影響はそれだけにとどまらない。Wi-Fiアライアンスなど一部業界団体がファーウェイの会員資格を一時停止する方針を発表し、技術交流にまで影響が拡大していた。IEEEの決定は米国の制裁が学術にまで拡大したことを示している。

張教授は、IEEEの決定は「私の経歴で従ってきた、科学と技術の守るべき一線を越えたもの」だと批判し、IEEEの学術誌の編集委員を辞職すると表明している。

ジャーナリスト、翻訳家

ジャーナリスト、翻訳家。 1976年生まれ。二度の中国留学を経て、中国を専門とするジャーナリストに。中国の経済、企業、社会、そして在日中国人社会など幅広く取材し、『ニューズウィーク日本版』『週刊東洋経済』『Wedge』など各誌に寄稿している。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)、『現代中国経営者列伝』(星海社新書)。

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