ソニーの足トラックボール特許出願について
ソニー・インタラクティブエンタテインメントによる足で操作するコントローラーの米国特許出願が公開されました。公開番号はUS2023/0398438、発明の名称は"DUAL SPHERE FOOT OPERATED POSITION-BASED CONTROLLER"、出願日は2022年6月10日、米国以外での出願は確認できていません。まだ、審査待ちの状態です。
基本的アイデアは、ゲームを含むVR/MR環境向けの足で操作するコントローラーです。いくつかのバリエーションが開示されていますが、発明の名称とクレーム1の記載から判断するに、主眼としているアイデアはタイトル画像に載せたような「足で操作するトラックボール」そのまんまの発明です。
クレーム1の内容は以下のとおりです。
足で操作するに十分な大きさの複数のボールと、支持筐体と、ポジションエンコーダーを備えるコントローラーということで、従来のトラックボールを足で操作できるように(かつ複数のボールを備えるように)しただけという発明です。従属クレームにおける限定も特別なものはありません(従来のトラックボールで使用されているような構成要素だけです)ので、まずは足で操作するというアイデア一発でチャレンジしてみようという方針なのだと思います。
ところで、この発明を製品化しようと思うと、トラックボールのボールはスムーズに回るようにするために滑らかな表面にせざるを得ないと思いますが、そうなると靴下を履いて操作すると滑るのではという気がします。図にあるように裸足で操作することを前提にしているのでしょうか?いずれにせよ、操作している状態の絵ヅラ的にはちょっと面白いものになりそうです。
なお、この出願の明細書には、トラックボール式とはまた別の足で操作するタッチパッドのようなコントローラー(下図参照)も開示されています。こちらは、クレームにはまったく反映されていないので、おそらく分割出願で権利化を狙うことになるのだと思います。