大雨でエアコンの室外機が浸水…どう対応すればいい?
台風や暴風雨などの災害時には住宅の一部が損壊したり、浸水したりすることがあります。それと同じことが家電製品にも言え、特に室内機と室外機が一対となって動作するエアコンの場合、屋外に設置した室外機が浸水してしまう場合があります。このような場合にはどう対処すればいいのか、ご紹介しましょう。
室外機が浸水するというのは、いったいどういうこと?
「浸水」とは、あるものの一部が水に浸かったり、ものの中に水が入り込んだりしてしまうことです。すべてが水に浸かってしまうことは「水没」と呼びます。住宅の場合、浸水の深さが0~50cmの大人の膝くらいまで浸かる状態を「床下浸水」、50cm~1mくらいで大人の腰くらいまで浸かる状態を「床上浸水」と呼びますが、床下浸水・床上浸水の状態になった場合、地面の上に設置している室外機も浸水してしまったと考えていいでしょう。
室外機は屋外に設置する機器のため、ある程度の雨や風、暑さや寒さ、揺れなどが生じても安定した能力を発揮できるように設計されています。しかし台風や暴風雨などの災害によって水に浸かってしまうと、設計上は想定されていない内部の電気系統などに水が入り込んでしまう場合があります。浸水の度合いによっては、水が引いたら使える可能性もあります。しかし、電気系統の部品に水が入り込んだ場合、乾いても漏電や発火などが生じる危険性もあるので気を付けてください。
室外機が浸水したのに気付いたら、まずは使用を中止しましょう
室外機が浸水もしくは水没した時は、エアコンを使用した際の感電や漏電を防ぐ必要があります。そこで、まずエアコンを使用していた場合は使用を中止し、家の配電盤の中のエアコン用のコンセントに対応しているブレーカーを切ってください。それからゴム製の手袋をして室内機の電源プラグをコンセントから抜いてください。電源を切ったら、エアコンを購入した販売店またはメーカーの修理相談窓口に点検を依頼してください。
室外機が浸水したタイミングでやってはいけないことは?
室外機が浸水してしまった場合、電源を入れると感電や漏電の危険性があるため、絶対にエアコンの電源を入れないでください。とにかくエアコンを購入した販売店またはメーカーの修理相談窓口に点検を依頼することが第一です。
室外機が浸水したとしても、内部にまで水が入り込んでいない可能性はあるため、乾いたら「もしかして使えるのではないか?」と思われるかもしれません。しかしメーカーや施工業者の担当者が点検して問題なしと判断しない限り、絶対に使わないようにしてください。
台風や暴風雨の際の床上・床下浸水から室外機を守る方法は?
建物全体が浸水してしまうほどの大規模災害でない限り、台風や暴風雨で室外機が浸水してしまうのは住宅の1階に設置したケースがほとんどです。1階の床くらいの高さに設置することの多い室外機は、床上・床下浸水時に浸水してしまうためです。
1階に設置した室外機でも、浸水を防ぐ方法はあります。その方法はシンプルで、「浸水しにくい高所に設置すること」です。
一戸建て住宅の場合、住宅の壁面に設置する「壁面取り付け(壁掛け)」という方法があります。集合住宅では、上階のベランダから吊るして取り付ける「天吊り」という設置方法もあります。
災害リスクが高い場合は対処を検討しましょう
室外機が浸水してしまう状況は決してよくあることではありませんが、どこにでもそのリスクは潜んでいます。自分が住んでいる場所は災害リスクがどのくらいあるのかを知りたい場合は、国土交通省が運営する「ハザードマップ ポータルサイト」(https://disaportal.gsi.go.jp/)で洪水や高潮、津波のリスクはどのくらいあるのかを調べてみてください。もし災害リスクがあるのであれば、室外機を高所に設置するといった対処を検討するのもよいのではないでしょうか。
【この記事は、Yahoo!ニュース エキスパート オーサー編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】