北朝鮮、変化のポイントは「女性」と「若さ」か
韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長、米国のマクマスター国家安全保障担当大統領補佐官、日本の谷内正太郎国家安全保障局長は17日と18日(現地時間)、米サンフランシスコで会合を持った。主題はもちろん、南北首脳会談(4月末に予定)と米朝首脳会談(5月内に予定)についてだ。参加者らはここで、「過去の失敗を繰り返さないことが重要との見解で一致した」という。
「過去の失敗」とは何のことかと言えば、これ以上、北朝鮮にだまされてはならないということだ。北朝鮮はこれまで、「核兵器は作らない」と繰り返し約束しながら、そのたびに反故にしてきた。日米韓が「今度こそ」と身構えるのは当然のことだ。
だが、分析の正確さを期すために言っておくと、「だまされた」と思っているのは北朝鮮も同じである可能性が高い。特に金正日総書記の時代、北朝鮮は米国との関係改善を渇望していた。だからこそ、金正日氏は「瀬戸際外交」を繰り返し、米国との交渉の場を作ろうと躍起になった。
しかし結局、北朝鮮が得たものも何もなかった。そうするうちに、金正日氏は寿命を使い果たしてしまったのだ。それを知っている金正恩党委員長もまた、「米国にだまされまい」と身構えているかもしれない。
そのような両者間の対話で重要なポイントとなるのが、金正恩氏の若さだ。
独裁者として長期執権を見通せる金正恩氏は、その若さを武器に、数十年先の目標に向かって外交を行えるという点で、諸外国の首脳よりも優位にあると言える。
つまり、結論を急がずとも済むということだ。
もちろん、近い将来において金正恩氏の身に何かあれば、話は別だ。金正恩氏はその肥満体型から、健康不安説が根強く囁かれている。また、パーティー狂いなど不摂生の情報もある。
(参考記事:金正恩氏の秘密パーティーに呼ばれる「名門女学生たち」の涙)
だがその一方で、深刻な持病があるとの話は聞かない。金正恩氏が強力な医療陣に支えられているのは間違いないから、健康面で異変さえ起らなければ、まだ30代前半の若さである彼は、今後30年以上は北朝鮮の最高指導者として君臨し続ける可能性がある。
それに最近では、妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が、兄が酒を飲みすぎたりすると「ほどほどになさい」と言ってたしなめているとの情報もある。
金与正氏以外にも、金正恩体制では若手の女性らの活躍が目立つ。これは、金日成・金正日時代とは明らかに異なる部分だ。
(参考記事:金正恩氏を支える「5人の美女」たちの仕事)
党や軍のオジサン幹部たちが「喜び組」をはべらして、どんちゃん騒ぎをしながら昔の日本の「料亭政治」のようなことをやっていた時代とは、現在の北朝鮮は違うと言えるかもしれない。
サンフランシスコに集まった米国と韓国と日本のオジサン幹部たちには、その辺のこともちゃんと見えているだろうか。