「日本人に合ったサッカーという言葉が個性をなくす」、セルジオ越後氏が語る日本サッカーの未来への警鐘
アジア大会に参戦中のU−21日本代表がグループリーグ第3戦でネパールを下し、決勝トーナメント進出を決めた。一方、さらに下の世代では、U−16アジア選手権の準々決勝で日本は韓国に敗れ、来年(2015年)にチリで開催されるU-17ワールドカップ出場権を逃している。
U17W杯出場逃す…韓国絶対エースの2発に沈み、98ジャパン終戦
アジアの舞台で繰り広げられる“将来のA代表候補”たちの戦いを見て、セルジオ越後氏は未来への警鐘を鳴らす。
「先に行われたU−16アジア選手権で、日本は準々決勝の韓国戦に0−2と敗れ、来年チリで開催されるU−17W杯の出場権を逃した。日本サッカーの育成は正しい方向に進んでいるのだろうか。改めて昨今の育成年代を見てみると、画一化されたサッカーばかりが目立っているように思う。つまり個性がなくなっているんだね」
「協会は指導者ライセンス制度を推し進め、その指導要綱は全国に撒かれる。フィジカルが弱く、勤勉で、テクニックに長けると“言われている”日本人に合ったサッカーとして、例えば『パスサッカー』なる言葉が喧伝され、そのスタイルを子どもたちに教え込む。結果、どの選手も似たようなタイプが育っているように感じるね」
「指導方針があるのは悪いことではない。しかし、それが個性を潰すものであってはならないし、これが日本人に合ったサッカーだと押し付けていいものでもないよね。『自分たちのサッカー』や『日本人に合ったサッカー』というのは、結果を出して初めて言えるものだよ。それができなかったら負けた、なんて言い訳は聞きたくない。メディアもそこに逃げるべきではない」
「韓国は自分たちに合ったサッカーをやったから日本に勝ったのか? もっと単純にレベルの違いがあったんじゃないか。アジア大会のイラク戦(1−3)にも同じことが言えるね」
「それにしても、アジアのキャスティングはずっと変わっていないね。そして、W杯に出れば世界との差が開いていることが証明される。日本だけがどうこうではなく、アジア全体で未来を考えないといけないと思うよ」