テレワークや新生活のネット回線、オススメは?速さ派や安さ派、タイプ毎に解説
コロナ禍の影響で、日常的に自宅でテレワークをしている人も多いでしょう。今後、新型コロナウィルスの感染拡大が一段落しても、在宅勤務がメインになりそうなため、「自宅の仕事環境を強化したい」と思っている人もいるかも知れません。
一方、卒業、入学、就職、進級など、3月〜4月にかけて新生活が始まる人もいるのではないでしょうか。
自宅で働く、学ぶ、遊ぶ上で必要不可欠なのがインターネット回線です。スマホのネットでも事足りますが、やはり自宅にいるならWi-Fiに接続するのがお勧めです。
「自宅でWi-Fiを使いたい」といっても、まずは自宅にインターネット回線をひく必要があります。新しくインターネット回線をひくにはどうしたらいいのか。ここでは、インターネット回線を選ぶポイントをご紹介したいと思います。
また「テレワークでのビデオ会議をもっと安定した回線で参加したい」ということで「自宅のインターネット回線を見直したい」という人にとっても、Wi-Fi環境をどのように強化すればいいのかのヒントもお教えします。
速度重視派は10Gbpsを選べ
とにかくYouTubeやNetflixなどの動画を見まくる、あるいは「ビデオ会議の回数が多い」といった人は光ファイバー回線が必要でしょう。しかも、最近では10Gbpsといった超高速サービスをNTT東日本、NTT西日本の「光クロス」やNTTドコモの「ドコモ光 10ギガ」、auの「auひかり ホーム10ギガ」、So-netの「NURO 光 10Gs」などが提供しています。注意点としては提供エリアが限られていたり、戸建て向けなどの制限がありますが、やはりインターネット回線は速いに越したことはありません(もちろん、理論値の速度が出るわけではありませんが)。
「10Gbpsなんて、オーバースペックでは」と思われがちですが、例えば、家族3人でお父さんがZoom会議、お母さんがNetflix、子どもがPS5といったように、3人それぞれが大容量のコンテンツを使うということも日常茶飯事になりつつあります。一昔前なら、こんな使い方は考えられませんでしたが、コロナ禍で巣ごもりの日々が続く中、「家族それぞれがネットを使いまくる」というのは、もはや当たり前になったのです。
10Gbpsのプランは月額で6000円を超えるため、通信費として高額なのは事実ですが、将来的にもデータ利用料は増えていく傾向にありますので、お財布と対象エリアであれば、是非とも検討したいところです。
もちろん、お財布にもうちょっと優しいのを選びたいのであれば、1Gbpsのプランを選ぶことになります。
すぐに使いたいお急ぎ派は
「引っ越したばかりで、とにかくすぐにインターネット回線が欲しい」という人には工事不要で契約すればすぐに使えるWi-Fiルーターがオススメです。
ソフトバンクが「SoftBank Air」、UQ WiMAXが「WiMAX Home」といったサービス、製品を揃えています。
光ファイバー回線の場合、自宅にひくには工事が必要で、開通まで約1〜2ヶ月程度、かかるのが一般的です。また、回線とは別にプロバイダとの契約も必要となります。
「SoftBank Air」や「WiMAX Home」は家電量販店の店頭などで契約し、Wi-Fiルーターを自宅に持って帰るだけで済みます。あとはコンセントを刺すだけで、Wi-Fiの電波が飛び、パソコンやタブレットで通信ができるようになります。
これらのサービスは当然、光ファイバーではなく、スマホでも使われている電波につながることで、インターネット環境を提供しています。そのため、通信速度が光ファイバー回線よりも遅いというのが弱点といえるでしょう。
携帯電話会社と同じ光ファイバー回線だとお得に
「光ファイバー回線を契約しようと思うけど、どの会社がいいのかしら」と迷っている方、やはり、いま使っている携帯電話会社と同じ光ファイバー回線を選ぶのがベストです。
NTTドコモであれば「ドコモ光」、auであれば「auひかり」、ソフトバンクは「ソフトバンク光」と組み合わせると、家族全員、それぞれ月々最大1000円安くなります。
ただし、各携帯電話会社が3月から始めるオンライン専用プラン(NTTドコモは「ahamo」、KDDIは「povo」、ソフトバンクはLINEMO)は光ファイバー回線と組み合わせても安くなりません。
また、ソフトバンクのサブブランドである「ワイモバイル」は光ファイバー回線とセットにすると1080円割引になりますが、KDDIのサブブランドである「UQモバイル」には光ファイバー回線とのセット割引はありません。
スマホの料金プランを安くすると、光ファイバー回線とのセット割引がなくなる可能性が高くなるので、注意が必要です。
一人暮らし&スマホ利用中心
「自分は一人暮らし」という人のなかには「自宅の固定インターネット回線、いらないかも」と思っている人もいるのではないでしょうか。とはいえ、スマホでYouTubeをたくさん閲覧したり、テレワークでのビデオ会議に参加するとなると、スマホで契約しているデータ容量ではとても足りるとは思えません。
しかし、2020年3月から、各携帯電話会社で「5G」が始まりました。5Gは高速大容量のネットサービスが売りとなっています。さらに、昨年秋から、菅総理大臣が「携帯電話料金の値下げ」を政策の目玉に掲げました。結果として、20GBのオンライン専用プランが誕生しただけでなく、無制限の大容量プランも値下げとなりました。
特に注目なのはNTTドコモです。同社の「5Gギガホ プレミア」はスマホでのデータ通信が無制限になるだけでなく、テザリングでつないだノートパソコンやタブレットのデータ通信も無制限で使えてしまいます。料金は月額7315円。一人暮らしであれば、自宅に固定のインターネット回線はひかず、「5Gギガホ プレミア」だけの契約にすれば、スマホもパソコンもまとめて、使い放題で通信できて快適になります。
「うちのエリアは5Gじゃないんだけど」という人も心配は要りません。
5Gの使い放題プランは、4Gエリアでも使い放題となっています。つまり、自宅が4Gエリアでも使い放題なのです。
「5Gギガホ プレミア」の契約をするのに5Gスマホが必要となります。オススメはシャープ「AQUOS Sense5G」です。4万円以下の値付けとなっており、コストパフォーマンスのいいスマホです。しかも、AQUOS Sense5Gには自宅に帰ると自動的にテザリングがオンになる機能が備わっており、これまで説明した使い方に最適なのです。
auとソフトバンクにも無制限プランがありますが、テザリングが30〜80GBという制限があります。テザリングをたくさん使う人は注意しましょう。
また、楽天モバイルは2980円で使い放題となっています。ただし、使い放題は楽天モバイルの自社回線エリアのみとなっているので、自宅がエリア内なのかを確認してから契約しましょう。
Wi-Fiの選び方、気をつけたい設置場所
家電量販店のWi-Fiルーター売り場を歩くと、本当にたくさんの製品が並んでいて、どれを選んでいいか迷ってしまいます。そんなときには「Wi-Fi 6」に対応したものを選びましょう。Wi-Fiルーターは5〜6年ぐらいで世代が変わっているのですが、いまはWi-Fi 6と呼ばれるものが最新となっています(そもそも昔はもっとわかりづらい名称でした)。
最近のスマホではWi-Fi 6対応が増えてきました。スマホと対応ルーターを組み合わせることで、快適な通信環境を実現します。
Wi-Fi 6はWi-Fi 5に比べて、約1.4倍高速です。また、ひとつの通信で複数のデバイスに同時に接続できるようになっています。高速、低遅延、安定性もあるなど、5G時代に適したWi-Fiルーターの規格なのです。価格も1万円前後から手に入れることができます。
では、実際に自宅にWi-Fiルーターを設置する際、どこに置くのがいいのでしょうか。
ベストなのは部屋の真ん中です。とは言っても、部屋の真ん中にぽつんと、決してかっこいいとはいえないWi-Fiルーターを置くのは、かなり無理があるかもしれません。
電波が飛びやすい、まわりにあまりものがない場所に設置するのが理想です。テレビの裏や本棚などまわりにものがあると電波が飛びにくくなります。
また、床暖房の住宅だと、床に埋められているプレートが通信の邪魔をしてしまうことがあります。3階建てで床暖房をしているような住宅では、階段の近くに置いたり、「メッシュ」と呼ばれる、複数のWi-Fiルーターを設置するタイプを導入するといいかも知れません。
また、電子レンジや電磁調理器とは通信が干渉してしまいますので、離れた場所に置くのがよいです。ただ、離れた場所にあっても電子レンジを使い始めると、通信が遅くなったり、反応しなくなることもあります。そうした時は、通信を諦めるか、スマホであれば4Gや5Gに切り替えると通信できるようになります。
また、ウォーターサーバーや水槽など、水がある場所も避けた方がいいでしょう。
「自分が家の中で、どのあたりで通信をしたいのか」を以下の点に注意して
1m〜2mの高さがある所
電子レンジや電磁調理器などが近くない所
ウォーターサーバーや水槽などの水辺の近くでない所
テレビの裏や本棚など囲われていない所
見通しのいい場所を探して、Wi-Fiルーターを設置するといいでしょう。
新生活に合わせたWi-Fi環境の選択をする
新生活を始める上で、オススメのWi-Fiについて記載してきましたが、使用理由や状況など人により異なるため、残念ながら現時点では、このWi-Fiにすれば万人が最適というサービスが存在しません。
重視するポイントとして「速度」、「エリア」、「手続き(の手軽さ)」、「料金」があります。動画閲覧など大容量の通信を使う場所が自宅であるかで移動中であるかでも選択肢は変わってきます。「5G」の通信のみで毎月充分であるか、自宅のWi-Fiと組み合わせる方がお得であるかをご自身の利用とライフスタイルをイメージして最適サービスを選択いただければと思います。
【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】