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X課金時代に初めて体験する大地震。閲覧数目当てのデマに注意

大元隆志CISOアドバイザー
(写真:イメージマート)

 石川県で震度7を観測した大地震。突然の大災害の発生でSNSには救助を呼びかける投稿も多々見かけます。

・青バッジは「有識者」や「著名人」ではなく「有料課金ユーザー」

 しかし、一方でこの大震災を「金儲け」に悪用しようと考えている人も現れています。X(旧Twitter)は、昨年から有料課金プランが導入され、これまでユーザー名の横に表示されていた青い認証バッヂは「有識者や著名人」を示すのではなく、「有料課金ユーザー」を示すマークとなっています。

そして、この有料課金ユーザーは自身のXの表示回数によって報酬が支払われる仕組みとなっています。

今回のような大震災は注目を集めるにはチャンスであり、簡単に閲覧数が稼げるデマが横行しています。

■デマの例:住所入で救助を呼びかけるデマ

■デマの例:全く関係の無い災害の映像を今回の大震災の物であるとする

■本当に救助を必要とする人の声が届かなくなる

 このような悪質なデマが横行することで、投稿の信ぴょう性を確認することに多くの時間が必要となり、本当に救助を必要とする人に対しての支援の手が遅れることとなります。

 このような大災害発生時には「デマ」は必ず発生するものではありましたが、Xが閲覧数によって収益を得られるようになったため、X上でのデマにはこれまで以上に警戒することが大切です。

 また、Xの青バッヂには「有識者」や「著名人」を示す意味はありませんので、「青バッジだから信頼出来る」と考えず、前後の投稿の内容等も考慮し、本当か?デマか?を判断することを推奨します。

CISOアドバイザー

通信事業者用スパムメール対策、VoIP脆弱性診断等の経験を経て、現在は企業セキュリティの現状課題分析から対策ソリューションの検討、セキュリティトレーニング等企業経営におけるセキュリティ業務を幅広く支援。 ITやセキュリティの知識が無い人にセキュリティのリスクを解りやすく伝えます。 受賞歴:アカマイ社 ゼロトラストセキュリティアワード、マカフィー社 CASBパートナーオブ・ザ・イヤー等。所有資格:CISM、CISA、CDPSE、AWS SA Pro、CCSK、個人情報保護監査人、シニアモバイルシステムコンサルタント。書籍:『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。

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