「保育園(幼稚園)行きたくない」を早期に解決!ベストな声かけ3STEPをモンテッソーリ教師が解説
お子さんが保育園・幼稚園に行きたくない、行きたがらないことは多くの方が経験されると思います。
コノビーさんが実施したアンケートによると、87%のご家庭で「行きたくない」と言われたことがあるようです。
実際お子さまが「行きたくない」と行ったとき、どんな声掛けをしますか?
- 「どうしたの?どうしていきたくないの?」と理由を探る
- 「そっか〜でも今日お天気がいいから水遊びだと思うよ!」と行きたくなるような声掛けを工夫する
- 「じゃあ休もっか!」と子どもに寄り添う
そういった声掛けをする方もいるのではないでしょうか。
しかし実は、この3つのパターンはどれも100%良い!とは言いづらいものなのです。むしろ、登園拒否を長引かせてしまったり、行きたくない本当の理由を聞き出しづらくなってしまっている可能性があります。
なぜこういった声かけでは問題が長引いてしまうのか?どういった声かけの仕方が良いのか?この記事ではモンテッソーリ教師であり乳幼児育児アドバイザーのねんねママが、
- NGな声掛けパターン3つとその理由
- 登園拒否のベストな声掛け3STEP
- 結局休ませるのが正解?行かせるのが正解?
という3つの項目にわけて解説します。
NGな声掛けパターン3つとその理由
- 「どうしたの?どうしていきたくないの?」と理由を探る
- 「そっか〜でも今日お天気がいいから水遊びだと思うよ!」と行きたくなるような声がけを工夫する
- 「じゃあ休もっか!」と子どもに寄り添う
この3つの声掛けはどれも100%良い!とは言えないとお伝えしました。
「別に悪い言い方じゃないじゃん」と思われた方もいらっしゃると思います。「こんんなふうに言ってはいけない」というような悪い声掛けではありません。
ではどうして100%良いと言えないのか。それを解説するために、大人に置き換えて考えてみてください。
あなたは普段家事や育児をいわゆるワンオペで引き受けているママ。パパと会話していると想定してみてください。
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もう今日は疲れてご飯作りたくないな〜、という日がありました。
毎日自分ばかりご飯を作っていて、私は子どもの面倒も見て大変なのにな〜
本当は献立考えるっていうのもしんどいのにな〜
ていうか子ども連れてスーパー行くってほんと修行だよ〜
冷蔵庫何入ってたっけ〜
あ〜この大変さわかってもらえてないな〜
あ〜めんどくさいな〜〜〜
そんな気持ちで
「あ〜今日はご飯作りたくないな〜」と言ったとします。
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そこでパパが「どうしたの?なんで作りたくないの?」と理由を探ってきたり、
「うーん、でも今日はカレー作りで運気がアップするって占いに書いてあったよ!」と少しでも作る気持ちをポジティブにしようと働きかけてきたり
「じゃあUber Eatsにしようか!」と決めうちの提案をしてきたりしたらどう思うでしょうか?
いや、そうじゃなくてさ?
まず私、疲れててね…ていうか日頃から私ばっかりご飯作ってるよ?
運気アップとかじゃなくってさ?
なんかそこんとこ労いもなくUberにしようぜとか言われても・・・
ていうかUberに私の食べたいものあるかわからんし、料金高いからなんか結局私のせいで無駄遣いする感じにならん?モヤモヤ〜〜〜〜!
と、なってしまいませんか?
この現象と全く同じことがNGな声掛けパターン3つのやりとりで起きています。照らし合わせてみますね。
・理由を探る
「どうしたの?どうしていきたくないの?」と理由を探る
=「どうしたの?なんでご飯作りたくないの?」
・ポジティブになれる声がけをする
「そっか〜でも今日お天気がいいから水遊びだと思うよ!」と行きたくなるような声掛け
=「今日はカレー作りで運気がアップするって占いに書いてあったよ!」
・「じゃあこうしちゃえば?!」と受け入れる
「じゃあ別に休んでもいいよ?」というやらなくてもいいよという声掛け
=「Uber Eatsでいいんじゃなぁい?!」
と、こういうことなのです。
子どもからすると「そうじゃなくって!気持ちをわかってもらえていない!」と癇癪を起こしてしまいかねないのです。
登園拒否のベストな声掛け3STEP
ではどういった声掛けをすれば良いのか?
NGパターンを例にあげながら3STEPで解説します。
▼STEP1 気持ちを受け止める
NGな声掛けパターンには落とし穴があります。「どうして?」と理由を聞くことは実は責めているように聞こえてしまいがちです。自分の考えを育むことができなくなる恐れもあります。
理由を探るなら、自分から行きたくない理由を話したくなる流れに持っていきましょう。
そのために必要なのは、「行きたくないって気持ちを受け止めたよ!」と伝えることです。「そうなんだね、行きたくないよね。」と共感します。
受け止める前に「え〜プールやるって!楽しいよ!」などポジティブな声かけをしても、まず自分の「保育園嫌だ」という気持ちを受け止めてもらっていないので不信感に繋がります。
ですのでSTEP1としては、まずは気持ちを受け止めてあげてください。あなたの行きたくないという気持ち、確かに受け止めました!行きたくないのですね!とわかってあげることが大切です。
▼STEP2 日々の頑張りを労って心を開く
そして、STEP2では子どもの日々の頑張りを認める言葉をかけてあげましょう。
晩ご飯の支度の例で言えば「毎日料理作るの大変だよね。献立考えるのも大変だもんね。いつも作ってくれてありがとう。」と、そんな風に言われればママも、「うん、作るのが嫌いで作りたくないわけじゃないんだけど、今日はちょっと疲れちゃったから外食がしたいな」などと理由を素直に話せるような気がしませんか?
気持ちを受け止めてもらえて、普段の頑張りを労ってもらえたら、自然と理由も言いやすくなります。
子どもは特に、まだ語彙力が低く、自分の思いや考えをうまく表現できないことも多いもの。だからこそ、こちらから子どもが日頃から頑張っていることを見つけて、頑張りを認める言葉をかけてあげましょう。
「暑い中でもがんばってるもんね」
「毎日早起きして頑張ってるもんね」
「毎日保育園に行って、ママとパパにお仕事させてくれているもんね」
などと話していく中で、本人が自分から行きたくない理由を話してくれるのを待ちます。
ちなみに保育園の先生としては「ギャン泣きの引き渡しは、全然OK!ママがさっと帰ってくれればこちらで切り替えておきます。」と言っていただくことも多いです。心強いし、ありがたいですよね!幼稚園の先生も同じように考えていらっしゃるのではないかと思います。
▼保育園の先生のお話に関してはYouTube動画で詳しくお話しています。
けれど親としては子どもが「行きたくない」と言うのであれば心配ですし、大事な我が子だから気持ちに寄り添ってあげたいですよね。だからこういう話し方、子どもの心を開いていくための言い回しを使えるようになっておくと安心です。
▼STEP3 行きたくない理由も受け止める
STEP2で心を開き、行きたくない理由が見えてきたらSTEP3としてその理由も受け止めてあげてください。そして解決する手段があるなら解決できる方向に持っていきます。例えば起きる時間を早くすることで解決するなら起床時間の調整です。
行きたくない理由ごとに対処をしていくことが大事ですが、人間関係などすぐに解決できることが理由ではないときに一番悩むのは「休ませるかどうか」の判断。肝心な休ませるかはどう考えれば良いのでしょうか。
結局休ませるのが正解?行かせるのが正解?
- 休ませないで無理に行かせたら精神に良くないのではないか
- 休ませたら休み癖がついてもう保育園に行ってくれなくなるのではないか
- そもそも今日も仕事どうしよう
と親は色々な思考が巡ります。
結論としては、休ませられるなら休ませてもいいですし、どうしても休ませられないなら、それはそれで仕方ないと思っています。
どうしようかな?と考えただけで大優勝です!
大人の都合だけ考えれば「いや、行くって予定だったんだから行ってよ」という一択なのにも関わらず、それを「どうしようかな?」「かわいそうだな」って検討したその時点で、愛情あふれる素晴らしい親御さんです。
休ませられなくたって仕方ない!一人の都合だけに合わせて生きていけないわけで、社会で生きていくとはそういうものでもありますよね。
休ませたかどうかという結論よりも一番大切なのは「子どもの気持ちを、どれだけ受け入れてあげられたか」ということではないでしょうか。
ちゃんとあなたの気持ちは受け止めたよ、今後に向けて考えてみようね、と理由を受け止めて共感することができれいれば心配ありません。
「今日は無理だけど、来週(来月)どこかでお休みして遊ぶ日を作ろうか?」なども良いですね。「今日は行きたくない」という気持ちを受け止められたかが大事なのです。
そうすれば親は子どもにとっての安全基地になります。「ママやパパに話せば気持ちを受け止めてくれるんだ、一緒に考えてくれるし、どんな自分でも受け止めてくれる。」と感じさせることが一番です。登園させるか休ませるか、そこが大事なのではないです。
そして保育園の先生とも相談しましょう。ただ秘密を守ることも大事なのでケースバイケースです。親に言うとなんでも先生に筒抜け…と思われてしまうと隠すようになる可能性があるので、先生に言う場合は「ママから先生に言ってもいい?」と確認が必要ですね。
一人で頑張りすぎないで先生の力も借りながら、愛情を伝えられていればそれでOK!という気持ちで少し力を抜いてやっていきましょう!
参考)『子どもを伸ばす言葉、実は否定している言葉』天野ひかり著
▼YouTube動画でも詳しく解説しています。