日本国内での新型肺炎感染の拡大リスクが高まる。市場では海外投資家の動向が気掛かりに
新型コロナウイルスの感染が広がっている問題で、進藤奈邦子・世界保健機関(WHO)シニアアドバイザーは14日、横浜市で開かれた日本環境感染学会の緊急セミナーで講演した。中国では新たな感染者が減りつつあるとして、「今一番、世界中が心配しているのが日本だ。ここで頑張って食い止めてほしい」と述べ、感染拡大防止に全力で取り組むよう訴えた(14日付け読売新聞オンライン)。
14日に都内で新たに2人感染が確認されたと報じられた。昨日、感染が確認された都内に住む個人タクシー運転手の男性の関係者で、1人は運転手が参加した新年会の会場となった屋形船の従業員で、もう1人はタクシーの組合支部の従業員だとか。
ここにきて急に国内での感染者が増加してきた。これまでは中国での感染者の動向に市場は一喜一憂していたが、今後は都心を含めて、国内での感染の動向が気掛かり材料となる可能性が出てきた。
暖かくなれば感染の拡大にブレーキが掛かるとの見通しもあり、多少なり感染が拡大してもそれほど大きな問題にはならないのではとの楽観的な見方がある反面、サプライチェーンリスクもあり、インバウンド需要の後退などによる国内への影響はかなり大きいとの見方もある。さらにオリンピックへの影響も考慮する必要も出てきた。
週明けの東京市場は、中国というよりも日本国内での新型コロナウイルスの感染動向が材料視されることが予想される。東京株式市場にとっては下落要因となろうが、リスク回避で果たして今回も円高に動くのか。債券先物はここにきて上値が重くなっていることもやや気掛かり。国内投資家の動向も気になるが、果たして海外投資家が、新型肺炎の日本国内での感染拡大による影響をどうみるのかが注目されることになりそうである。