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引退ブッフォン、仲間のメッセージに見る人柄や至高ぶり 「模範」「唯一無二」「歴代最高」

中村大晃カルチョ・ライター
イタリア代表でのブッフォン(2016年7月)(写真:ロイター/アフロ)

元イタリア代表のジャンルイジ・ブッフォンが8月2日、現役引退を発表した。

1995年に17歳でセリエAデビューを飾って以降、28年にわたって伝説的なキャリアを築いてきた45歳が、ついにグローブを脱いだ。パルマ、ユヴェントス、パリ・サンジェルマン、イタリア代表で数々のトロフィー獲得に貢献してきた功績、その偉大さは言うまでもない。

ブッフォンが愛されたのは、選手としてだけでなく、人間的にも尊敬されるような人物だったからだ。それは、仲間たちから寄せられたメッセージからもうかがえる。

そのすべてを拾うことはできないが、ここで拙訳ながら一部を紹介したい。

06年W杯優勝戦士(『La Gazzetta dello Sport』紙。抜粋)

アンジェロ・ペルッツィ

「君を思うと中国の格言を思い出す。人に勝つ者力あり、自分に勝つ者は強し。君は偉大だ」

アレッサンドロ・ネスタ

「人生で出会った中で最もエネルギッシュな人だった。決してたどり着けないGK、最強だった。キャリアで会った中でトップクラスの人物だ」

マルコ・マテラッツィ

「チェコ戦で得点した時に私に駆け寄ってハグをしてくれたのは生涯忘れない。ありがとう。君なしでは世界王者になれなかった」

ファビオ・グロッソ

「歴代最強だった。次は監督をやるように助言したい」

ジャンルカ・ザンブロッタ

「唯一無二でまねできない、アイコンとなったGKだった。君をまねようとあの役割を始めた多くの子どもたちの模範だった。ユーヴェと代表で一緒だったのは光栄で幸運だ」

ダニエレ・デ・ロッシ

「まれという以上に唯一無二のサッカー選手。カリスマ的リーダーで、ロッカールームの男。誠実な友人で常に仲間に献身的」

ジェンナーロ・ガットゥーゾ

「無限で計り知れず、不滅。06年世界王者組のチャットで君はほとんど交流しないが、私は理由を知っている。あまりに思い出と感動が強く、現役でいる限り、常に集中していたかったんだよな」

アンドレア・ピルロ

「私にとって『我々の人生最高の年月』。我々を結びつけるのは思い出だけではない。深くて誠実、情熱的な友情だ。世界のサッカー界のスーパーマン。今日から君は我々の時代の英雄だ。永遠に!」

アルベルト・ジラルディーノ

「君からは多く得点できなかった。でも、決められた時はすごくうれしかった。君が最強だったからだ。これからはまた栄光に満ちた将来となることを祈る」

フィリッポ・インザーギ

「歴代最高のGKだった。その強さから、君から得点するのは最高のことだったよ。卓越した男のままだ。今後のサッカー人生でさらに成功すると確信している」

ルカ・トーニ

「歴代最高だった。私は幸運かつ光栄にも、我々のキャリアで最高の経験だった06年W杯を共有できた。今後の幸運を祈る」

フランチェスコ・トッティ

「初めて会ったのが昨日のことのようだ。話したいこと、思い出したいことは山ほどある。一緒に戦って勝つことができたのは素晴らしかった。いや、光栄だった」

2006年W杯決勝戦のイタリア代表(2006年7月9日)
2006年W杯決勝戦のイタリア代表(2006年7月9日)写真:Action Images/アフロ

元チームメートや後輩(SNS)

パウロ・ディバラ

「アドバイス、支えに感謝。僕の成長を助けてくれ、僕らは一緒に勝利した。内外を問わず素晴らしい人物。僕のナンバーワン、すべてに感謝!」

レオナルド・ボヌッチ

「唯一無二だった。永遠に唯一無二。君のことを、君が教えてくれたことを、君が与えてくれたことを言い表すのに、言葉も見つからない。友よ、ありがとう」

ミラレム・ピアニッチ

「君が勝ってきたことをまとめるのは無駄だ。リストが長すぎる。主将として僕にとっての意味を説明しようとするのは無駄だ。正しい言葉を見つけられない。君のおかげでこのスポーツを愛した人がどれほどかを数えるのは無駄だ。多すぎる。でも、ひとつ言いたい。君は僕のアイドル、模範、キャプテン、チームメートだった。でもそれ以上に、特別な人だ。唯一無二。すべての感動に感謝」

クラウディオ・マルキージオ

「エンツォ・フェラーリは『子どもに紙といくつかの色鉛筆を渡し、自動車を描くように言ったら、必ず赤くするだろう』と言った。同じように、その子どもにサッカーのピッチにいるGKを描くように言ったら、必ずジャンルイジ・ブッフォンを描くだろう。自分はあの「デッレ・アルピ」のゴール裏であなたを見始めた。ゴールキックのためのボールを渡した。それから…あとは知ってのとおりだ。この人生の後半戦を楽しんで。ピッチだけがプレゼントしてくれるアドレナリンを感じることはないだろう。でも、新しい感動があるはずだ。今に分かるさ!大きな抱擁を」

フェデリコ・ベルナルデスキ

「あなたは歴史をつくった。あなたが歴史だ。あなたは歴史になる。昨日も今日も、いつも。レジェンド。唯一無二」

ダニーロ

「毎日あなたと過ごし、あなたから学ぶ機会はうれしかった。親愛なる友ジジ、あなたほど僕が感嘆したアスリートはほかにいないよ!すべての瞬間、ユヴェントスとは何かを教えてくれたこと、毎日インスピレーションでいてくれたことに感謝している!大好きだ」

アドリアン・ラビオ

「サッカー史上有数のGKだったのは間違いない!でも、あなたが他と違ったのは、人としてのクオリティーだ。世界最強になれても、共感や謙虚さがなければ、僕にとって価値はない。あなたはそれらすべてがあること、それ以上だと示した。ジジ、お疲れさまでした。人生を楽しんで」

マヌエル・ロカテッリ

「親愛なるジジ。サッカー、イタリア代表、僕たちのユーヴェに与えてくれたことに感謝している。あなたは僕やこのスポーツを愛するすべての人のアイドルだ。一緒にプレーする機会には恵まれなかった。でも、幸いにも対戦できた。こうやってハグしたことはずっと忘れない。もう一度、ありがとう。スーパーマン。これからの幸運を祈っている」

もちろん、国外からも、同僚でなかった者からも、メッセージはたくさん寄せられており、改めてブッフォンの偉大さが感じられる。至高と呼ぶにふさわしい選手だった。感謝するとともに、これからの人生の幸福を願うばかりだ。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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