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大谷翔平選手御用達のレストランは山火事をサバイブしているのか? 米ロサンゼルス山火事

飯塚真紀子在米ジャーナリスト
火の手はビーチタウンのマリブにも達し、海岸沿いの豪邸も数多く焼失した。(写真:ロイター/アフロ)

 バイデン大統領をして「州の歴史で最悪の山火事だ」と言わしめたロサンゼルスの山火事。高級住宅地パシフィック・パリセーズの山火事は街の75%を焼き尽くしたと言われる大規模なものとなった。焼失した具体的な場所が明らかになりつつある中で、筆者が驚いたのはパシフィック・パリセーズの北に位置するマリブの海岸沿いを走るパシフィック・コースト・ハイウェイ(以下、PCH)沿いの豪邸も、数多く焼失したことだ。火の手は、パシフィック・パリセーズの丘を駆け降り、マリブのビーチまで及んだのだ。実際、タレントで実業家のパリス・ヒルトン氏や俳優のメル・ギブソン氏はマリブにある自宅が焼失したと話している。

 PCH沿いにはオーシャン・ヴューのお洒落なレストランが数多いが、マリブのシンボル的なレストランとして知られる「ムーンシャドウズ」やシーフード・レストランの「リール・イン」も焼失した。どちらも古くからある、筆者にとっても思い出深いレストランなので喪失感に襲われている。もっとも、山火事で、家族や家を失った人々のことを思うと、筆者が抱えている喪失感なんてちっぽけなものなのだが...。また、同じくPCH沿いにある、世界的なセレブ・シェフとして知られる松久信幸氏が経営するレストラン「Nobu Malibu(ノブ・マリブ)」のことも気になった。同店には大谷翔平選手も訪れているからである。

大谷選手と世界的セレブシェフの親交

 大谷選手と松久氏の親交ぶりは、松久氏のインスタグラムを見れば窺い知ることができる。松久氏は、ビバリーヒルズで「Matsuhisa」というハリウッド・セレブ御用達の老舗日本料理店を1987年から構えているが、同店には、2023年12月、ロサンゼルス・ドジャーズの大谷翔平選手と山本由伸選手が訪れていた。松久氏は両選手と撮った3ショットをインスタグラムに投稿していた。

 昨年4月には、松久氏はナショナルズvsドジャーズの試合で始球式を務めた後、大谷、山本両選手と撮った3ショットを投稿。

 昨年のクリスマス・イブにも、マリブビーチを背景にして「Nobu Malibu」で撮った大谷選手との2ショット(下右)や愛犬デコピンの画像を投稿している。

 また、昨年12月30日にも、クリスマス・リースを背景にした大谷選手とデコピンとの3ショット(下左)を投稿し、「私たちは新しいルーキーの誕生を楽しみにしています」と真美子夫人の妊娠を祝福するコメントを掲載していた。

松久氏のインスタグラムより。
松久氏のインスタグラムより。

サバイブしているのか?

 松久氏と親交がある大谷選手の御用達の「Nobu Malibu」は、山火事をサバイブしているのか? サンフランシスコ・クロニクル紙は1月9日時点では「有名なマリブのレストランがパリセーズの山火事をサバイブしている。Nobuは、PCH沿いで、破壊もされず、ダメージも受けなかった数少ないビジネスの一つだ」としており、同店は無事なようだ。また、地元ロサンゼルス・タイムズ紙も「ビーチ・コミュニティーの飲食店のランドマークもいくつか持ち堪えるだろう。8日午後時点では、ノブ・マリブ、リトル・ビーチ・ハウス、そしてマストロズ・オーシャン・クラブはまだ存続している」としている。

 位置関係を見ると、焼失した前述の「ムーンシャドウズ」や「リール・イン」が立地するエリアは、同じPCH沿いでも、パシフィック・パリセーズに近い、比較的東側に位置し、「Nobu Malibu」はこれらのレストランよりも西に位置している。距離的に、同店までは火の手が迫らなかったということだろう。もっとも、同店からわずか2マイルほど離れたエリアは焼失しているようなので、間一髪だったとも言える。また、松久氏は、10日、同店の前に集結する消防士たちの写真もインスタグラムにアップしていたと報じられている。彼らが同店をガッチリと守っているのだろう。避難マップを見ると、同店は、現時点では、避難勧告地域の中に入っている。

 「Nobu Malibu」はウェブサイトで「火事が続いているため、現在のところ、1月20日月曜日まで休業致します」としている。

 ロサンゼルスでは、14日まで再び突風が吹く予報となっていており、予断を許さない状況だ。火の手がこれ以上拡大しないことを祈りたい。

(飯塚真紀子・著 ロサンゼルス山火事関連記事:Yahoo!ニュース エキスパート )

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ありがとうございます。
在米ジャーナリスト

大分県生まれ。早稲田大学卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会、トレンドなどをテーマに、様々なメディアに寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲル、ジム・ロジャーズなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。

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