2024年12月中旬にも関わらずオホーツク管内は珍しく雪不足です。

津別町も雪が降っては溶けては繰り返しの日々ですね。

そんな時人々が口々にいうのが「早く雪が降ってくれたら暖かくなるのになー」と耳にすることがあります。実は気象学的にもしっかりとした理由があるのはご存じでしたか？

◆雪が降る時の気温の特徴とは？

雪は氷の結晶なので、当然ですが気温が低くないと発生しません。ただし、雪が降るためには単に寒いだけではなく、適度な湿度と気温が一定範囲内にある必要があります。

具体的には、雪が降るのは気温が-2度から-10度前後の場合が多いので、それより寒くなると空気中の水蒸気が少なくなり、雪を形成しづらくなります。

そのため、-15度を下回る極寒の日には雪が降らないこともあります。意外ですよね？北海道のほとんどの人は寒いと雪が降るなぁなんて思っている方も多いかもしれません。

◆雪が降る日の「あたたかさ」の正体

雪が降ると「あたたかく感じるな」と思うのは、まさにこの気温の範囲に関係しています。例えば、-15度から-20度といった厳しい寒さの中から、雪が降る条件の-5度に気温が上がると「あれ？なんかあたたかいぞ」と感じてしまうのです。

人間の体は、寒暖のアップダウンが激しかったりすると、気温差の大きな違いを感じやすかったりします。よく天気予報のニュースなんかでも「気温の変化にご注意ください」はまさにこれですね。

◆雪がもたらす熱を逃がさない効果

かわって雪そのものの「断熱効果」についても大事な点です。

雪が降るとき、空には厚い雪雲が広がっています。この雪雲が、地表から放射される熱を遮断し、地面に熱が逃げるのを防ぐ働きをします。その結果、晴れた夜のように極端に冷え込むことがなくなるのです。

特に冬の夜、晴れた日には地面の熱が宇宙空間に逃げてしまい、一気に冷え込む「放射冷却」が起こりますが、雪雲があるとこれが抑えられるのです。

ここ1〜２週間は津別町や美幌町はとても寒い朝でした。雪雲がなく晴れている日が多かったからこそ放射冷却の日が多かったためです。

そして積もった雪自体も「断熱材」のような役割を果たします。雪の中にはたくさんの空気が含まれており、この空気が熱を伝えにくい性質を持っているため、地面の熱が外に逃げにくくなるのです。これが家の屋根を保温してくれる効果もあり、意外と「あたたかい」環境を作り出してくれます。かまくらが意外とあたたかいというのもうなずけますね。

北海道に住んでいると、冬の寒さは日常の一部になり、気温の小さな変化にはあまり意識が向かないこともあります。しかし、こうした気象現象の仕組みを知ることで、日常的な冬景色が少し違って見えてくるかもしれません。例えば、雪雲の広がる空を見上げて「今日は放射冷却おきなさそう」水道凍結はなさそうかな？と感じることもできるのです。変わって晴れている日は水道凍結するかもしれない水を落としておこうかな？要注意だなと心構えもできますね。

雪が降るときの「あたたかさ」の理由を知ることで、少しでも冬を快適にそして楽しく過ごせるヒントになればいいなと思います。

今年の冬、雪の日はまだまだ来ないオホーツク管内ですが少しだけ空を見上げて、北海道の自然が生み出す「小さなあたたかさ」を感じてみてはいかがでしょうか。

芝桜が咲く山は冬になると写真のように枯れたように見えますが、実は根や茎はしっかりと生きています。寒さに強い性質を持っているため、雪や寒さから守られることで、春になると再び元気に芽吹き、美しいピンクや白など可憐な花を咲かせます。

東藻琴は雪が多く積もる地域ですが、これから降る雪が芝桜を保温材のように守ってくれるためには、早めに雪という布団が覆ってくれると良いですね。

海別（ウナベツ）岳は流氷を見ながらスキーを楽しむことができる穴場スポットでもあります！これから冬本番に向けて沢山の雪が降ったあとに、近くまで来た方はぜひ滑ってみませんか？ひと味違うスキー体験ができるのを楽しみに待ちましょう！