「アルバイトしたことある?」高校2年生に聞いてみた
学費を稼ぐため、あるいは自分の趣味娯楽のため、恐らくは人生で初めての経験となる、他人に指図されての就業と、その対価としての報酬の獲得となる、学生時代のアルバイト。その体験状況を少年教育振興機構が2014年6月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」(調査そのものは2013年1月から3月にかけて調査票発送・返信による回収方式で実施。小学校は1年から6年まで各100校ずつ、中学校は2年生対象に150校、高等学校は2年生対象に150校が調査対象。有効回答数は1万7900件)報告書から確認する。
アルバイトに関する経験の有無(現在しているのも含む)を尋ねた結果が次のグラフ。今調査の調査対象母集団は小中高校生だが、アルバイトの許可が下りるのは大抵高校生以上であることから、回答対象も高校生に限定されている。
直近の2012年度では3割がアルバイト経験あり、7割が無しとの回答。具体的なアルバイトの内容は今調査では尋ねていないが、ファストフードやコンビニの店員、荷物運び、新聞配達など多様な職種が主な対象と考えられる。あるいはクリスマスにおけるケーキ販売、年始における郵便局の配送業務も多分にいるに違いない。
経年変化を見ると、きれいな形でアルバイトの経験者は減っている。2006年度時点では42.7%もいたが、2012年度では30.6%と10%ポイント以上も減少。ここ2、3年では減少ぶりが底を打ったように見えるが、下げるタイミングが金融危機に始まる景況感の悪化と一致するため、単に求人不足のためにアルバイト経験者が減っている可能性も捨てきれない。この仮説が正しいなら、次年度となる2013年度分では増加を示しているはず。次回調査結果が大いに気になるところだ。
これを男女別に見たのが次のグラフ。
全般的に男子よりも女子の方がアルバイト経験率は高い。女子の方が接客系のアルバイトの求人が多いからなのだろうか。あるいは女子の方が男子よりも肉体的・精神的成長が早く、アルバイト経験を求める気概も高まるからかもしれない。ともあれ2006年時点では大よそ半数の女子がアルバイト経験を有している。
一方、直近となる2012年度では男子は1/4ほど、女子は1/3ほどが、高校2年生時点でアルバイト経験を有している。女子は横ばいのまま推移しているが、男子は2010年度に底を打ち、反転したように見える。
高校生のアルバイトは多分にケースバイケースで、家庭の方針で許されない場合もあれば、学校の決まりで許可されない事例も多分にある。他方、アルバイトという就労行為は冒頭にある通り、多様な観点でプラスとなる要素を持ち合わせている。学生の本業である学業をおろそかにするようでは元も子もないが、機会は十分に与えられるべきだろう。
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