全文入手…統幕から共産党へ流出した文書の「注目部分」
デイリーNKジャパンは3日、統合幕僚監部(統幕)が作成して共産党に流出し、共産党の仁比聡平(にひそうへい)氏が2日の参院特別委員会で提示した資料の全文を入手した。
資料は、河野(かわの)克俊統幕長が昨年12月17、18両日の訪米で、デンプシー統合参謀本部議長ら米軍・国防総省幹部7人と会談した内容を記載したもの。当時は法案の作成に向けた自民、公明両党の与党協議が始まっていない段階だった。
河野氏は、とくにオディエルノ陸軍参謀総長とのやり取りで安保法制について突っ込んだ発言をしており、直前の14日に投開票された衆院選に触れ「与党の勝利により、来年夏までには終了すると考えている」などと述べている。
ただ、一連の会談で話されたのは、安保法制の問題だけではない。
たとえばオディエルノ氏は、陸上自衛隊と米陸軍がともに強化できる分野として、「離島奪回に際し、いかに戦力を投入するかといったエア・アサルトについて議論」することの重要性に言及。「ストライカー部隊をいかに投入するか」など、戦術面のテーマについて積極的に発言している。
また、「オスプレイ導入は輸送能力向上の観点から重要であり、陸軍としてはオスプレイ等を使用した離島防衛などの防御要領について支援して参りたい」(オディエルノ氏)とする発言も見られる。
言うまでもなく、「離島奪還」「離島防衛」は自衛隊が中国の軍事力増強を念頭に重視しているものだが、米軍幹部がこれに積極的にコミットする姿勢を見せたものと言えるかもしれない。
一連の会談ではほかにも、日中関係やロシア軍の動向、北朝鮮のサイバーテロ、エボラ出血熱対策が話し合われている。