【伊勢市】八日市場町に「大神宮前」の駅名看板 12年で役目を終えた「伊勢電気鉄道」の廃線跡を歩く
やっと秋らしい気候になってきました。12、13日は県道鳥羽松阪線の一之木交差点を中心に「伊勢まつり」が開催されます。伊勢まつりに来た際、少し寄り道をして、明治~昭和期の12年で役目を終えた「伊勢電気鉄道」の廃線跡を歩いてみませんか。
「大神宮前」の駅名看板は、伊勢理容美容専門学校(写真奥の建物、八日市場町)に近くにあります。明治44年に伊勢鉄道設立、大正15年に伊勢電気鉄道と改称。昭和5年に桑名~大神宮前間全線開通し、大神宮前駅を開設。昭和13年に名古屋~大神宮前間が全線開通しました。吸収合併や合併を経て昭和17年、新松阪~大神宮前間が廃線、大神宮前駅は廃止になりました。名古屋直通急行の新車、関急一型(近鉄モ6301型)は「緑の弾丸」と言われ、後に近鉄名古屋線、急行車両の原型となりました。かつての大神宮前駅は、現在のNTT西日本伊勢志摩支店(一志町)あたりだったそうです。
廃線跡は現在、道路に転換されています。周辺は住宅地で静か。福祉センターと図書館を眺めながら宮川堤へ向けて歩きます。
早修小を過ぎると、トンネルが見えてきました。伊勢電気鉄道開業に伴い、昭和5年に建設。トンネル内を歩きます。
ぎゅーとらを過ぎると、またトンネルが見えてきました。こちらも伊勢電気鉄道開業に伴い、昭和5年に建設されました。
トンネルを抜けると、突き当りに。廃線跡の終点です。
宮川堤の松井孫右衛門社の大鳥居近くにやってきました。県道伊勢南島線沿いにある遺構で、橋台のようです。伊勢電最盛期は、特急(はつひ、かみぢ)が桑名まで1時間25分で快走し、一世を風靡しました。廃線となって82年。「伊勢電気鉄道」に思いを馳せてみませんか。
「伊勢電気鉄道廃線跡」
所在地:伊勢市八日市場町~常磐~浦口~二俣~辻久留